劇場版
仮面ライダー５５５
パラダイス･ロスト

まだ見ていない人

世界の大半が人類の進化形「オルフェノク」に支配されている時代。わずかに残った人類はテロ行為でオルフェノクに抵抗していた。抵抗派グループのリーダーになっている真理は、かつて１万人のライダー軍団に倒された巧が仮面ライダー555（ファイズ）として戻ってきて、人類を救う救世主になると信じていたが、彼女の仲間は一向に現れない555に失望しつつあった…。

「アギト」から始まった仮面ライダー映画版も３回目になり、夏の定番になってきました。
「アギト」はサイドストーリー、昨年の「龍騎」は最終回（とは言えるかどうか）と、毎年趣向を変えていますが、今回の「５５５」は世界観がもっとハードになった、ＴＶ版からしばらく経過した後の話、と思えるエピソードになっています。
「仮面ライダー」は、初代はホラータッチが強かったし、「Black」は親友と戦うし、「龍騎」はライダー同士で殺しあう、と暗めの話は珍しくありませんが、今回のような敵の勢力が人類を凌駕してしまった、という設定は初めてでしょう。冒頭で、オルフェノクが暴れているときは一般人（オルフェノクなんだけど）は平気な顔をしてるのに、ライダーが出てくると逃げ惑う、という描写はシュールです。
初めの方でファイズがやられるシーンは衝撃的だし（同じ頃に公開された「ウルトラマンコスモスＶＳウルトラマンジャスティス」でも、ウルトラマンコスモスは初めにやられましたが）。他にも仮面ライダーカイザやオートバジンなども酷い目に合うのが、ＴＶ版と違うであろう見どころでしょう。スーパーブレインの社長の姿はホラー映画の影響を感じさせる面白い姿に変わっています（オフィスが素っ気無さ過ぎるのが、チープな感じで残念）。ゲストで前作「龍騎」に出ていた津田寛治と角替和枝がちょこっと顔を見せています。

設定は人類が追い詰められている極限状況のはずですが、悲壮感はあまり感じられません。特に中盤でのダンスのシーンは、そんなことやってる余裕あるんかい！と突っ込みたくなりましたが、感動を盛り上げようという意味ではありかもしれません。話には多少強引と思える展開がありますが、主人公の555が関わりだしてからは物語が怒涛のように展開し、一気に進んでいきます。

今回初登場の仮面ライダー・サイガに変身するレオは、香港や台湾のＴＶ界で活躍してるピーター・ホーが演じていますが、アクションに慣れているせいか動きがかっこよく、特に変身シーンは注目です。ある一言以外彼は全て英語で話しますが、さすがに発音は上手です。英語のライダーというのは始めて見ましたが、全く違和感ありません。
最後に出てくる仮面ライダー・オーガは「超人機メタルダー」に出てきた好敵手、クールギン（古いかな？）を思い出しました。こういう、頭に飾りをつけたタイプのライダーはあまり見ないように思いますが、最強と言った風格を持つかっこよさがあります。
彼らを初め、どのライダーも今回はかっこよく見えました。初め「555」の設定を聞いた時は、携帯電話で変身というのは時間がかかりそうで違和感があったのですが、映画を見終わると年甲斐も無く、携帯を持って「変身！」したくなっちゃいました。

ラストはそれなりの決着がつくので、昨年の「龍騎」よりは欲求不満にはなりませんでした。映画の続きが見たい気もしますが、たぶん明るい話にはならないでしょう。
この映画で見る限り、「仮面ライダー５５５」とは人類を滅ぼそうとするオルフェノクと、人類と共存しようとするオルフェノクの戦いという話に見えますが、これは「Ｘ－ＭＥＮ」に似てる形に思います。

クライマックスでのさいたまスーパーアリーナでの撮影は、一般から募集したエキストラで観客席を埋めています。映画のエンドクレジットでは、この時来た1万人の名前を全て乗せているそう（ペンネームらしきものがけっこう多い）ですが、人数が多いだけに小さすぎて読めません。この大きさならビデオになってもつぶれて読めないはずで、ハイビジョンくらいの細かさでないと読めないでしょう。
これは世界で一番人名を多く載せたエンドロールということで、ギネスブックに申請するそうですが、どうだか…？

すでに見た人

後半で明らかになる、巧の「秘密」には驚かされました。ただ、初代ライダーなんかも元はショッカーに改造された身体だから、ライダーが敵怪人と同じ種族、という設定は考えてみれば、珍しいことではないでしょう。

爆竜戦隊アバレンジャー
DELUXE
アバレサマーはキンキン中！

お話自体は昨年の「ハリケンジャー」同様脳天気ですが、「555」と全く違ったあっかるいテイストで楽しめます。
特に今回の戦隊の特徴は、メカが単なる使われる兵器ではなく、自分の意思を持っていることで、爆竜が戦闘に参加するとこは燃えました。
敵の爆竜が氷山から復活するのを米軍？のヘリが目撃したり、彼らが航行中のタンカーを破壊するシーンは、ゴジラ映画を意識したように見えました。外国人役者やＣＧの多様など、映画ということで予算が使えたであろうことで、スタッフがＴＶ版と違う映画ならではのシーンを作ろうと、楽しんだのではないかと想像します。
また映画ならではといえば、お話が海岸で始まるので、お約束？の女性キャラ達の露出度の高い水着サービス（２段構えというのがミソだ！）は、お父さん方の一番の見どころでございましょう。グラビアクイーン（今もそう言えるのか？）小向美奈子のゲスト出演も。
今回のエンディングも「ハリケンジャー」同様出演者全員で踊る、楽しい終わり方でした。さらに今回は、エンドクレジットが終わってから「次はファイズだよ」と予告してくれるサービス？もついています。

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