「紅いコーリャン」や「秋菊の物語」など、この監督の作品は何本か見てるのですが、ここ数年の「さらばわが愛」や「花の影」などは大味になって面白いと思えませんでした。なので、この作品も退屈するのではないかと思ったのですが、古代中国ネタは興味があるので見に行ったものです。予想通り、眠くなりました。
展開がスロー気味だったのも眠気を感じた一因でしょうが、一番大きかったのは、国の関係や人間関係、そしてキャラクターの名前が把握しにくいため、話についていけなくなったことでしょう。中国の人だったらこういったことは分かるのでしょうか?日本の戦国時代の国や人間関係が、日本人にしか分からないのと同じ事なのでしょうか。
さすがにエキストラをいっぱい使っていているため、スケール感は出ています。ここまで人数を使った映画は最近珍しいでしょう。さすが中国、というところです。
子供を殺すシーンを出すのは中国、という感じがします。命に関する、古代中国と現代とのメンタリティーの違いを感じました。それともそんな大げさなものではなく、単に映画の中での子供の扱いの考え方の、西洋と東洋の違いでしょうか?香港映画でも子供を殺すシーンがあるようだし。ハリウッドではこういうシーンは描けないでしょう。アメリカでこれが公開された場合、R指定になると思います。
ショウの城の全景が出るシーンがありましたが、これはマット絵を使った合成ぽい感じを受けました。エンドクレジットに「CG」とあったのは、このシーン作成のためのものだったのかもしれません。
冒頭はケイカの仕事=殺しのシーンから始まりますが、彼の素早い動きは香港映画入った感じがします。このシーンの最後に出てきた、ケイカのトラウマとなる、女の子の目が凛としていい感じでした。
僕が見た時は、観客は中年の人が多いように思われました。やはり古代中国ネタということで若い人よりも、歴史小説が好きであろう中年以上の人が多く見に来たのだと思います。日本ではこの年代の人はあまり映画に行かない印象がするので、いいことだとは思います。