スモール・ソルジャーズ

 

「トイ・ストーリー」では、人間の前ではおもちゃたちは意志を持つ行動は取りませんでしたが(例外もあったけど)、この「スモール・ソルジャーズ」は、そんなおもちゃ(フィギュア)が人間に敵対してくる話です。「裏トイ・ストーリー」とも言えましょうか。
この作品のような、フィギュアのような小さいものが人間に牙をむき、襲ってくる話をパロディを交えて映画にするというのはやはり「グレムリン」=ジョー・ダンテに合った作品だと思います。
後半になってフィギュアが人間を攻撃目標にし、フィギュアの群れが近づいてくるシーンは、襲うはずのない物が襲ってくる感じがよく出ていて、不気味でした。
しかし、フィギュアが人間に取り付いて襲うところは、簡単に振り払えそうな感じがしました。出演者が無理して取り付かせてる感じがします。このへんは、しょせんはフィギュアで迫力が出ません。
フィギュアのデザインや動きはリアルで、ありそうな感じがしました。今回はいかにもフィギュアという、リアルな動きにしないのがポイントですが、スタン・ウィンストンはいつもながらいい仕事をします。


それにしても、フィギュアにたかがマイクロチップを埋め込んだだけであんな高性能になのるか?と突っ込みたくなりました。そんなことを考えないでただ楽しめばいい映画なんでしょうけど。女性兵士のフィギュアを量産するシーンなんて、材料をどうやって調達したのかと気になってしまいました。
コマンドー・エリートのリーダーである、チップ・ハザードの声がトミー・リー・ジョーンズというのはハマリのキャスティングです。コマンドー・エリートの他の声優陣が「特攻大作戦」の出演者というのはマニアックですが、特にアーネスト・ボーグナインとジョージ・ケネディというのは、渋めのうまいキャスティングでした。狂気入った軍人役(こいつらって軍人というより、戦争マニアという方が正しいみたいだし)はぴったりな感じがします。
チップ・ハザードによる「パットン大戦車軍団」のパロディは面白いです。音楽も同じジェリー・ゴールドスミスであるせいか、「パットン」のマーチもちゃんと流してくれます。しかし「パットン」から30年近く経っているのに、今だにジェリー・ゴールドスミスが現役というのは凄い、とこのシーンを見て思いました。とはいえ、「オーメン」や「エイリアン」の頃が彼の全盛期だったと思うのですが。
フィギュアを開発する会社の名前が「グロボテック」という名ですが、いかにもな感じでうさんくさい、うまいネーミングです。
これのフィギュアが売ってるようですが(映画は長時間のCMというとこでしょうか)、襲われそうで、買う気がしませんね。

 

 


 

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