まだ見ていない人
社内を闊歩していくOLの足だけを映していく予告編で、ハイヒールが茶碗を踏み潰すカットがあり、この破片の掃除をするのもショムニの仕事なんじゃないか、と非常な違和感を覚えたのですが、本編もまさにその通りでした。
映画は、1日だけのヘルプとしてショムニに派遣されてしまった塚原(遠藤久美子)が、その1日を通してショムニに染まっていき、翌日にはショムニのメンバーに入っていくという展開です。話の構成は1日に限定し、映画に適したコンパクトな形と思えます。
話のメインは映画の後半、仕事を終えた後、自分に自信が持てずにうじうじしている塚原が、一晩中千夏にくっついてショムニメンバーの生活を見ていって自分を変えていくところです。つまりこの映画の半分以上の舞台はアフターファイブの、会社外となっています。
「ショムニ」は基本的には会社内の話であると思っているので、この構成には違和感を受けました。これがシリーズ物で2作目ならばこういう展開もありでしょうが、まずはスタンダードにするべきだったと思います。TVとの違いを意識しすぎたのか、かえって「ショムニ」の世界観からかけ離れたものになってしまったと思います。
また、「ショムニ」の面白さとは、塚原が持っている普通の(?)感覚とショムニメンバーとの感覚のギャップだと思います。ですから、塚原がショムニに染まってしまったらその面白さが無くなってしまうでしょう。ですので、ラストの塚原の行動にはすごく違和感を持ちました。塚原役の遠藤久美子は弾けた感じで良かったんですけど。
ショムニメンバーのキャストもTV版と比べると、映画版の方が落ちます。千夏役の高島礼子はがんばっていたけど、どうもヤクザっぽい感じがしてしまいました。佳菜なんかも、太りぎみの河井美智子より、TV版の櫻井淳子の方が美人度が高いと思います(個人的好みもあるけど)。
TV版では千夏のタンカがクライマックスの売りになっていましたが、映画版でそれを意識しすぎたのか、千夏がやたらと説教ばかりしているのが気になりました。
満帆商事の社長を佐藤充が演じていますが、ヌードまで披露する怪演を見せてくれます。これがこの映画の唯一面白い点かもしれません。
すでに見た人
冒頭でアカペラが入り、それがBGMだと思ったのが、カメラがパンするとザ・キングトーンズが歌っているのが映るところは面白かったのですが、その後のシーンでも同様のことを何回もやられると当たり前になってインパクトが無くなり、面白くなくなってしまいました。