スター・ウォーズ
エピソード3
シスの復讐

まだ見ていない人

映画の歴史を変えたであろう「スター・ウォーズ」第1作「エピソード４」から四半世紀。この「エピソード３」で、「スター・ウォーズ」全６部作の最後のピースが埋まります。
今回はアナキン・スカイウォーカーが暗黒面に転落し、銀河帝国が成り立っていく話です。

その、中盤のクライマックスといえるアナキンのダークサイドの転向ですが、あっさりとダース・ベイダーになってしまったのは、急すぎに感じました。行動は分かるにしても、もうちょっと悩んでほしかったところです。せっかく「エピソード２」からいろいろ伏線を張っていたのに、台無しです。
それと、共和制から帝国制への移行も、いきなり宣言されて唐突でした。民衆のパルパティーンの支持やジェダイへの不満、それに元老院の腐敗といった背景がパンフには書いてありますが、本編にこそそういうシーンを描いてほしかったところです。
また、アナキンの妻パドメがあっさりフェードアウトしてしまうのも気になりました。子供たちの名前の付け方も、理由もなくいきなりルークとかレイアとか出てきて、急ごしらえな感じに見えました。

しかし、アナキンが墜ちていく要因が「愛」というのは面白いところで、世界の命運よりも愛を優先させるのは「らせん」を思い出しました。
でも例えば、戦場に行く兵士は「国家のため」の人もいるでしょうが、「家族を守るため」という「愛」ゆえに行くという人も多いことでしょう。そう思うとこの「堕ちていく」要因は、けっこう普遍的なものかもしれません。

このエピソード３を見た後にエピソード５「帝国の逆襲」やエピソード６「ジェダイの復讐」を見ると、ベイダー＝アナキンが我が子であるルーク・スカイウォーカーに対して何を考えていたか。ということがより詳しく推測できて、エピソード３が作られる以前とはまた違った見方ができます。その意味で「スター・ウォーズ」はこのエピソード３が作られたことで、シリーズにより深みが出たといえます。

今回の一番の見どころは「エピソード４」を初めとする、後期３部作とのリンクでしょう。「エピソード４」からのファンはエピソード１や２に違和感を持ったかもしれませんが、今回はエピソード４にこうつながる！というシーンがいろいろあって、前作より興味が引かれやすくなっているはずです。
ただ、レイア姫の養父母となるオーガナ家の人々や、ルークの養父母となるラーズ夫妻のこの後の運命を思うと、かわいそうな感じがしてしまいます。
オーラスのシーンは、エピソード４のルークとリンクして、感動的でした。

今回の話はコルサント付近での戦闘から始まっています。ふつう後半に来るであろうハデな宇宙戦闘を、後でなく前に持ってくるのは、いきなりクライマックスから始まるようでインパクトはありますが、話の途中みたいで唐突な感じがしてしまうかもしれません。これはアニメ「クローン大戦」のラストからの続きの話になっているので、このアニメを見ている方が話にとっつきやすいと思います。

ここの戦闘シーンは、戦闘機に取り付いて破壊してしまうバズ・ドロイドのアイデアに惹かれました。こんなのがいたら簡単に勝てそうな気がするけど。
グリーバス将軍の戦い方も動きが面白くて迫力があります。ただ、この「エピソード３」での彼はジェダイに押されているシチュエーションが多いですが、アニメ「クローン大戦」での彼はひたすら不気味で凄まじく強く、こっちの方がキャラクター性が出てるように思いました。

すでに見た人

アナキン・スカイウォーカーがパルパティーンの哀願に応えてメイス・ウィンドウを斬ってしまうくだりは、「エピソード６」で息子ルークの哀願に応えて皇帝を殺したシーンと似てるようで、やっぱ同じ人間なんだ、と思いました。
アナキンにもっと自制心があれば、メイスがあのままパルパティーンを斬っていてシスは復活しなかったろうし、あるいは「エピソード６」で息子ルークを見殺しにしてたら、銀河帝国は安泰だったことでしょう。
結局アナキンて、理性よりも情を優先させてしまう、ジェダイにもシスにもなれない「人間」なのでしょう。

またこの「エピソード６」で皇帝がルークに電撃を浴びせるシーンでのアナキン＝ダース・ベイダーは、「エピソード３」を見る前は単にルークを救おうかどうするか迷ってるとしか推測がつきません。しかし「エピソード３」を見た後は、この時アナキン＝ベイダーはパドメのことを考えていたんじゃないかと思いました。自分があの時メイス・ウィンドウを斬らなければ、彼女を救えたのではないか、という想いが皇帝への殺意につながったのかもしれません。皇帝は、彼が間接的に殺したと言っていいパドメに、最終的には逆襲されてしまったのかもしれません。

そして、「エピソード６」では皇帝がルークへ「自分を殺せ」とけしかけるシーンがありましたが、「エピソード３」でパルパティーンがアナキンにドゥークー伯爵のとどめを命じたくだりでそのシーンを思い出しました。こういう、後のエピソードとのリンクが考えられているのが今回の面白いところだし、うまく一貫性が出ています。

エピソード１であいまいに語られていたアナキンの父親を匂わせていたのも今回の興味深い部分でした。パルパティーンがアナキンを見つけたのは偶然だったのか、それとも全て計画だったのでしょうか…? でもアナキンにパドメの死の夢を見せたのは、パルパティーンの計略だったのではないかと思います。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

クローン大戦

｢スター・ウォーズ｣エピソード２のラストで始まったクローン大戦。その後のジェダイ騎士たちの活躍を、アニメーションで描いた物語です。
元はアメリカのケーブル局・カトゥーン・ネットワークで放映していたアニメで、日本でもＣＳの同名局で放映しています。ＤＶＤでは全２巻のVol.1とVol.2のうち、Vol.1が出ています（200５年８月現在）。

｢スター・ウォーズ｣のアニメと言えば｢ドロイド｣や「イウォーク」なんかがありましたが、それらは「ドロイド」であればC3-POとR2－D2、「イウォーク」であればエピソード６に登場したイウォーク族といった、サブキャラが活躍する番外編的な話でした。
しかしこの「クローン大戦」は、エピソード２＆３の主役であるアナキン・スカイウォーカーやオビ・ワン・ケノービを初めとする、ジェダイ騎士たちが主人公です。
お話はエピソード２のラストより４ヵ月後から始まりますが、その中ではアナキンのパダワンからジェダイナイト騎士への昇格、アナキンのメカ右手のデザインの変化、C3-POの金色の彩色など。エピソード３で既になっていた変化が語られ、エピソード２や３を見ている人には興味深いであろう話が出てきます。

作品のウリはアナキンやオビワン、ヨーダ、メイスといったジェダイ騎士たちとドロイド軍、そしてグリーバス将軍や女戦士アサージ・ベントレスなど、ダークサイドに味方するシスの弟子たちとの戦闘シーンでしょう。内容は戦闘の連続で、ドラマ的な面白さはあまりありません。しかしその戦闘シーン、動きは早いし、戦い方も工夫があります。
エピソード３ではオビワンたちジェダイに押され気味だったグリーバス将軍なんか、この「クローン大戦」では初登場のせいか、すさまじい強さでジェダイ騎士を圧倒し、存在感はエピソード３以上でした。
この「クローン大戦」、キャラクターのデフォルメがきつい感じがして当初はあまり関心は無かったのですが、実際見てみると途中で止められなくなりました。作画は韓国のようですが、その迫力には、この国のアニメ技術の進歩を感じます。

元は短編アニメのようで、作品はそれをつなげているせいか、本編には「CHAPTERいくつ」というクレジットが５分くらいごとに入ります。これは少々うざったい感じがしました。

作品はVol.1とVol.2に分かれていて、Vol.2はグリーバス将軍率いる分離主義者軍艦隊がコルサントに現れ、ドロイド軍がメイスやヨーダをひきつけている間にパルパティーン議員をさらう、という話になります。
そしてグリーバスが、さらったパルパティーンと共にコルサントを離れるところで終わりになり、「エピソード３」はその続きの話、というつながりになっています。
なのでこの「クローン大戦」は「エピソード２.８」あたりとでもいえる物語で、「エピソード３」を見る前これを見ていると、スムーズに話に乗れるはずです。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

スター・ウォーズ
クローン・ウォーズ

「スター・ウォーズ」のエピソード２と３の間の話を描くCGアニメです。このへんのエピソードは以前、２Dのアニメで前後編のDVDとしてリリースされました。今回は話が一新され、絵も３DCGにアップグレード？しています。
今回のエピソードはシリーズになるらしいので、これはTVのパイロット版に当たる作品かもしれません。「つづく」的な終わり方は、いかにもシリーズの第１話スペシャルという感じです。
以前の2Dアニメと今回の話と大きく違う部分は、アナキンにパダワン（弟子）がついていることでしょう。そのパダワンである新キャラ・アソーカは、いかにもアメリカアニメによくいる勝気な女性キャラで、個性が感じられません。初めのうちはそのアソーカとアナキンが対立して、やがて和解する展開もパターンで都合がよすぎます。

アナキンやオビワンなど、メインキャラの声はオリジナルの俳優の声ではありませんが、サミュエル・J・ジャクソン、クリストファー・リー、アンソニー・ダニエルズといった人たちはちゃんと同じ役の声で出ていて、聞き物でしょう。音楽もメインテーマを使っていて、「スター・ウォーズ」という感じは出ています。
「スター・ウォーズ」エピソード１～３で大幅に３DCGを使っていたせいか、今回のアニメの背景やメカなど、人物以外のモノの雰囲気にはオリジナルと同じ感じがあります。
しかし人物は顔が違うし、特に髪の毛が動かないという点で、非常に安っぽく見えました。
今回のアニメは、この第1話？を見る限り、話の内容にしても絵のクオリティにしても、以前作られた2Dアニメに及びません。なぜ今になってこの話を作るのか、疑問です。そんなに儲けたいかなあ？

「スター・ウォーズ」シリーズはこれまで20世紀フォックスの配給でしたが、このアニメ作品はワーナーの配給です。何故これまでと同じフォックスじゃないのか？まあ内容には関係ないでしょうが、どういう事情なのか気になりました。

外国映画

日本映画

オリジナルビデオ

スペシャルページ

表紙

作者プロフィール

映画について思うこと

リンク

スター・ウォーズ エピソード3 シ ス の 復 讐

ク ロ ー ン 大 戦

ク ロ ー ン 大 戦

スター・ウォーズ クローン・ウォーズ

スター・ウォーズ クローン・ウォーズ

スター・ウォーズ
エピソード3
シスの復讐

クローン大戦

クローン大戦

スター・ウォーズ
クローン・ウォーズ

スター・ウォーズ
クローン・ウォーズ