ダークサイド・ムーン |
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「トランスフォーマー」シリーズ3作目も、マイケル・ベイが続投で監督します。主演のシャイア・ラブーフも続投ですが、彼女役は新しい女のコになっています(前の彼女はもういい、と見限って?男を食う映画に主演)。
今回はトランスフォーマーの悪の軍団・サイバトロンが、実は始めから地球を狙っていたことになっていて、いかにもな罠で善の軍団・オートボットを追い出し、ついに地球への侵略を開始します。
やってることはいつもと同じロボット達のドンパチなのですが、危機そして反撃、の繰り返しで興奮させてくれます。ただ、3時間近くの尺はちと長く感じました。
また、ディセプティコンが地上の人々を狙い撃ちにするなど、前作以上にグロいシーンがチラホラあるので、子供には刺激が強いかもしれません。
今回は地球侵略の話ということで、人間対トランスフォーマー(ディセプティコン)の戦闘シーンが前2作以上に増えています。そのせいか、映画では登場するトランスフォーマーの種類は前2作より増えているそうなのですが、全然そう見えませんでした。
今回は前2作では見られなかった、ディセプティコンの艦隊が地球に来ているシーンが予告編にあったので、その艦隊が地球に降りて来るシーンがあると予想していたのですが、シーンが変わったら既に地球に降りていたのには意外な感じを受けました。想像するに、宇宙人の艦隊が地球に降りて来るシーンというのは「インデペンデンス・デイ」やこの映画の前に公開された「スカイライン」でもあるので、似ていると思われるのを避けたくて、入れなかったのではないでしょうか。
映画は今流行の3Dでの公開です。ホントかどうか分かりませんが、宣伝によれば「アバター」のジェームス・キャメロンが協力した、というのも信じられるような迫力はありました。
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この作品で一番3Dの効果を感じたシーンは、戦いの決着がつく少し前の破壊された街の中で棒立ち状態になっているサムの恋人・カーリーでした。この後カーリーはメガトロンをけしかけるのですが、このシーンはまるで彼女の決意を表しているようで、3Dもただ迫力を出すだけではなく、キャラクターの内面の描写にも使えるということが認識できたシーンでした。
しかしこの後のメガトロン、女の戯言に惑わされるなんて情けないと思う反面、今一つオツムの足りないメガトロンらしいようにも思います。
ここでメガトロンにやられてしまう、新キャラのセンチネルは声をミスター・スポックで有名なレナード・ニモイが演じています。この人、80年代に作られたテレビアニメの劇場版では、メガトロンの進化形だったガルバトロンの声を演じていました。
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リ ベ ン ジ |
アニメ以上に複雑でリアルな変形にド肝を抜かされた「トランスフォーマー」が、パート1の公開からたった2年で、早くも2作目。太古から地球に来ていた敵・ディセプティコンの一味「フォールン」が目覚め、海底に沈められたメガトロンを復活させ、人類に宣戦布告します。
敵の一味が以前からいました、というのはシリーズモノのパターンではあります。今回は戦線がますます拡大してきて、ホントにトランスフォーマー達は人類を巻き込んで、迷惑な奴らです。
ということでこの映画、戦闘シーンがかなり続き、前作以上に戦争映画の色が濃くなっています。主演のシャイア・ラブーフがこの映画の出演について「アスリートの要素がいる」と言っているのも無理からぬことでしょう。しかし前作並みのペースは衰えを見せなくて退屈しません。今回はさらに「インディ・ジョーンズ」や「ターミネーター」が入った感じがするのが前作と違うところですが、パクリぽくしか見えなくて、「トランスフォーマー」のオリジナリティーがかえって後退してしまった感じがします。
とはいえ、音楽の入れ方やスローモーションの使い方は「アルマゲドン」なんかを思い出させ、戦闘シーンでは異様にテンポが良くなるなど、いかにもマイケル・ベイの映画にはなっています。
また今回はトランスフォーマーにしろ人間にしろ、前作のキャラが何人&何体か続投しているし、その設定も前作を引きずっているので、パート1を見ていた方がより楽しめます。
今回は前作以上の数という、トランスフォーマーのバリエーションが楽しませてくれます。小さい奴らは「グレムリン」みたいな(古いか…)感じがしました。ダイソンのトランスフォーマーは欲しくなります(危険じゃなければ、だけど)。
そのトランスフォーマーたちの中で、前作もそうでしたが、メガトロンとスタースクリームの見分けがつきにくくて困りました。両方とも戦闘機に変形するし、灰色だし。アニメではメガトロンは銃(ワルサーだったような)だったけど、さすがにでかい銃はありえないということで、戦闘機にしたのかもしれませんが…。
映画の初めに出る会社のクレジットの効果音がトランスフォームの音になっていて、これが早くも雰囲気を出していて、効果的です。アメリカの映画会社は、大切であろうマークでもいじらせてくれるような、フレキシブルなところが感心させられます。
この分だとこの「トランスフォーマー」、3作目もできるのでしょう。次回はマイケル・ベイは製作に回り、別の人が監督するような気が…。
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日本のタカラが出した変形ロボットのおもちゃを、アメリカのメーカー・ハスブロが輸入した「トランスフォーマー」は1980年代に人気になり、アニメのシリーズまで作られました。その「トランスフォーマー」が20年も経ってまさか実写、しかも製作がスティーブン・スピルバーグ、監督がマイケル・ベイという大作になるとは、初めてチラシを見たときは信じられませんでした。
お話は別の星から地球にやってきた金属生命体が、乗り物や機械をコピーして変形ロボットになり、善のオートボット、悪のサイバトロンと戦いを繰り広げるという、他でやってくれよ!と言いたくなるハタ迷惑な内容です。
アニメ版はもっぱらオートボットとサイバトロン同士の戦いで、地球人と戦うことはあまりなかったと思いますが、今回の映画はサイバトロンと海兵隊が戦うシーンがかなりあり、異星人と人間とのバトルアクションの面が強い物語になっています。予告編もその部分を強調した作りになっていて、アニメ版よりも大人向けの活劇といった内容になっています。
この映画のプロデューサーである、スピルバーグが作った異星人の侵略モノの映画では「宇宙戦争」がありました。あの映画はテロをモチーフとしているようなので性質は違うかもしれませんが、この「トランスフォーマー」の方がはるかに、気分よく見られる内容です。
監督のマイケル・ベイは、いつものようにテンポのいい展開で、ノリノリの演出を見せてくれます。物語にはトランスフォーマーたちの出自に関する「謎」が絡むのですが、その謎の行方にあっさりと決着がついてしまうのはまるで監督が、謎解きなんぞよりアクションだぜ!と言ってるみたいでした。そんなバトルシーンは来る来る!といった盛り上げが上手くて、大いにエキサイトしました。スカッと爽快に見終われる、娯楽活劇です。
中盤にある、主人公の家でのオートボット軍団のやりとりは、アニメにあったようなロボットと人間のおちゃらけ感がけっこう出ているように思います。もっともここはヘタな香港映画を思い出すシーンもあり、なんだかなーという気もしてしまいましたが。
アニメといえば、トランスフォーマーたちの変形する時の音が、アニメと同じようなSEになっているのは、アニメ版をリスペクト指定している感じがしました。
この、映画のウリであろうトランスフォーマーたちの変形シーンがスピーディーなのも気持ちのいいところで、これはCGならではの恩恵でしょう。あの膨大な数のパーツをよく動かしたものだと思います。意外と「アクエリオン」なんか参考にしたんじゃないか、とも思わされましたけど。
映画は続編が決定してるそうです。スタースクリームはまだ残っているし、今度は新たなディセプティコンが攻めてくる話でしょうか?ホットロディマス出るかなー?
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