まだ見ていない人
今回の話は、現実世界にウルトラマンや怪獣が現れる話ですが、このような現実世界に空想世界のキャラが現れるというパターンはよくみられる話なので、今後ウルトラシリーズでは二度と使えなくなると思います。次にウルトラ戦士が集合する映画を作る場合、どう理屈づけるのかと思ってしまいました。たぶん次など考えないで、制作が決まったらその時に考えればいいことなのでしょうが。
TVでの「ウルトラマンガイア」のテーマは「世界は終らない」ということだと思いますが、この映画でも同じメッセージを主張しています。お先真っ暗な今の世の中で、希望を叫ぶことは重要な事でしょう。
ウルトラマンティガとウルトラマンダイナが少ししか登場しないのに、ダイナの声をつるの剛士がちゃんとやっていたのは嬉しいこだわりでした。ティガの声の真知勇志もオリジナルでやってた人だったと思います。
映画版のウルトラシリーズでは、「ウルトラマンゼアス2」でのウルトラマンの空中戦や、「ウルトラマンティガ&ダイナ」での怪獣の動きや宇宙人など、CGをうまく目立たせて使ってましたが、今回はメカでしょう。
ファイターEXやアドベンチャーなどのメカシーンはほとんどCGのようです。アドベンチャーの変形(役に立たないけど)シーンは「ウルトラマンティガ&ダイナ」でのデスフェイサーの変形シーンを思わせる、CGならではの動きです。
また、怪獣による町の破壊シーンはほとんどCGと合成によるデジタル処理でしたが、壊れる瞬間の建物を、ビルの陰とかで隠してごまかさずにCGで作り、ちゃんとカット内に入れ込んでいたせいか、TVより迫力を感じました。
同時上映の「ウルトラマンM78劇場」は見る前はどうでもいいと思っていましたが、オムニバス形式で、4コマ的な一発落ちが笑える作品もあり、意外に面白いアニメです。キャラがかわいいし、1本あたりの時間も短いので、ヘタにストーリーを展開する「ウルトラニャン」より子供の興味を引けると思います。
ただし、音声が「ジュワッチ」とか、鳴き声とかだけでセリフが無いので、アフレコは大変だったと想像します。
すでに見た人
主人公である勉が、ウルトラマンティガとダイナを呼ぶ時に「光よー!」と赤い球を持って叫びます。ここでは彼がティガとダイナの名前を言っていないので、呼んだことにはならんだろう、と思ったのですが、やはり「ティガ」からの流れからいって「光」でしょう。この後にティガとダイナが現れるシーンはジーンと来ました。
この作品で一番気になった点は、一旦元の世界に帰った我夢が、再び勉の世界に来るのに「アドベンチャー」なる新型メカを使うところでした。時空移動用として試作していたそうですが、なんのためにこんなメカが都合よくエリアルベースの中にあったのか説明無しです。おまけに、この実験用の試作機を無断で発進させる我夢を、コマンダーがちゃんとした理由も聞かずあっさり許可するのは都合よすぎます。
我夢はアドベンチャーで都合よく勉の世界に来て、怪獣に勝ち、元の世界に戻りますが、我夢はこの時、自動的に消えます。アドベンチャーは来てすぐに怪獣に壊されますから、我夢には自力で元の世界に戻る手段はありません。
とはいえ、しょっぱなと同じく、赤い球の力で我夢が勉の世界に来たのなら、球の力が消えたので我夢も消えるのだろうと納得できるのですが、我夢は2度目はアドベンチャーを使って勉の世界に来たのだから赤い球は関係ないはずで、ここで我夢が消えるのは都合よすぎると思います。
ここでは、我夢が2度目に勉の世界に来る時も、赤い球の力で来させるべきだったと思います。アドベンチャーを出したのは、映画なので新型のメカを出したい理由だけなのでは、という気がします。
勉の町が破壊され、彼の家も学校も破壊されたはずなのに、映画の終わりではみんなきれいに元に戻っていました。これって夢落ちだったのかなあ?