まだ見ていない人
見終わってさわやかな気分になれました。話の内容は「ラブレター」と似てるようなのですが、なぜかあれは見たいと思わなかったので、比較できません。
二人がデートしてるシーンはいいシーンで、特にヒロインの表情が弾けてていいです。主人公は女のコに思われていてうらやましいキャラですねえ(そんなコいねーかな…)。こんな形ででも、女のコとの出会いがあるのはうらやましいこと。
ヒロイン美玲役の李丹は「女優霊」に出ていたそうですが、「女優霊」のビデオのパッケージには彼女の名前が出ていません。顔から見て、たぶん最後に出てきた幽霊役だったと思います。あのコワーい幽霊が実はこんなイイ女だったとは…。
デートのシーンと、エンディングに流れたハウンドドッグの音楽「いくつもの夜を越えて」は、終わってもしばらく耳にこびりついていました。
すでに見た人
最後に何か盛り上がりがあると期待したのですが、チラシか、あるいは「シネロケット通信」で主人公が、美玲が殺された原因は指輪にあることを知ることが書いてあって、実はここが一番のクライマックスだったのに、事前にネタばらしをされてしまって、感動も意外性もなくなってしまい困りました。
主人公はひたすら落ちていくかと思って、それはイヤだなあと思って見てましたが、最後に立ち直ってほっとしました。ひねくれた監督がやれば、主人公をひたすら落として、それを批評家が「現代をよく描いてる」とか言ってもてはやしたかもしれませんが、そうでないのがいいです(暗い話は嫌い)。ヒロインが死んでしまったのがつらい(せつない?)ですけど、主人公が立ち直るきっかけとしてはいいのでしょう。キャラクターの中に完全な悪人(ヤクザにしても、ギャンブル相手にしても、嫌な奴らですが人殺しの描写みたいなのはないし、ヤクザは主人公を根性焼きで許すし)がいなかったのも良かった点でした。
主人公が美玲の残した日記を読んでるシーンがありますが、彼は中国語が読めないはずなのに、スラスラ読んでる感じに進むのが気になりました。辞書でも引きながら読んでる描写があれば納得できたのですが。
美玲の友達役の喜多嶋舞が彼女の日記を読むシーンも、まるで美玲が日本語で日記を書いてたようにスラスラとつっかえずに日本語で読んでました。ここは中国語を日本語に訳しながら読むのだから、文を確認しつつ(単語を考えたり)読む描写でないと不自然すぎます。中国人同士では中国語で話してたりとか、せっかくリアルな描写をしているのですから、もっと徹底してほしかったです。
主人公が働いていたホテトル(マッサージとは言ってたが)の待合部屋や女のコたちのキャラクターには異様なリアリティーを感じました。