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元COCOの大野幹代が脱いだ、ということがウリのシリーズ物。僕はCOCOは興味無かったんで、メンバーで覚えているっていったら永作博美と、せいぜい三浦理恵子くらいで、あと二人は記憶無いです。この作品、大野幹代のタレント生命の起死回生作だったんでしょうけど、彼女がその後なんかのドラマに出たという話を聞かないとこをみると、失敗だったのでしょう。それも無理ないと思います。演技上手くないし。
話もお粗末きわまりなく、展開がさっぱり分かりませんでした。主人公の過去と今回の敵である女性と何かつながりがあったようだけど、匂わせるようなカットが入ってるだけで、何があったのかさっぱり分かりません。これの監督はあいまいな話が好きらしいのですが、あまりにも話がわからなすぎて、かえって退屈してしまいます。
アクションシーンも、動きのスピードやカット変わりがのろく、ノロく見えてしまいました。飯島直子がやった話の方がまだアクションは早かったでしょう。
冒頭の、大野幹代がプールで銃を撃つシーンは、どう見ても敵が彼女に気づくだろう、というシーンなのですが、敵は気づかないことになっています。このシーン、撮影中に出演者からも「これじゃ間抜けだよな」と言われていたそうです。
主人公にいつの間にか恋人ができてますが、知り合った後にどういうきっかけでこういう関係になったのかよく分かりませんでした。女の殺し屋に、何も知らない恋人というのは「ニキータ」のパクリくさいですが、主人公が彼氏と遊園地でデートしてる時に仕事が入るというのもモロな感じがします。
今回は西岡徳馬のポジションに隆大介が出ていますが、こいつが敵か味方なのかもさっぱり分かりませんでした。
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Vシネ、それもH系のVシネです。当然、Hシーンがメインではありますが、本筋の話も良く出来てて、H系のVシネとはいえ侮れません。
「喪服」なので、当然、シチュエーションは葬式関係です。話は3部に分かれていて、1話めが夫に不意に事故死された若妻の話、2話めがミステリアスな女性客に恋をするバーのマスターの話、3話めがある出版社の編集長の妻に横恋慕した若い編集者の悲劇。
これのうまいところは、これらの3話が独立した話ではなく、3話ともキャラクターが微妙に絡み合っているところです。1話目に出てくる主人公の女性は、このエピソードの最後には死んだ夫の弟と結ばれ(ここが濡れ場)再婚することになるのですが、この弟が常連のバーがあり、ここのマスターと話をするシーンがあって、2話めではこのバーのマスターが主人公になります。彼が、決まった時間に来て決まった時間に帰ることから「シンデレラ」とあだ名されるミステリアスな女性客に恋をし、このエピソードの最後で二人は結ばれる(ここが濡れ場)のですが、3話めではこの二人がバーで仲良くシェイカーを振ってるシーンが出てきます。3話目の主人公である若い編集者と、その編集長もこのバーの常連で、1話目からちょくちょくと顔を出します。こういう風に、キャラが微妙に絡み合うのは「タンポポ」を思わせる上手い見せ方です。今はどうか知りませんが、かってのポルノ映画が濡れ場だけでなく、話も結構がんばっていた作品があったのを思わせました。
自分としては、ハッピーエンドの大人の恋の雰囲気のある2話めが一番好みです(やっぱラブラブな終わり方が一番やねえ)。このパートの主演である西野美緒は元AVギャルなのですが、ちょっと南米顔っぽさを生かした、バーで飲んでるミステリアスな雰囲気と、すっぴん(風にわざとメイクしてたかも)でパートで働く時の落差がちょうど良い感じで、元AVギャルとは思えない雰囲気を感じました。3話目のヒロインを演じる小田かおるはさすがに懐かしい感じで、すっかりオバさんでした。
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ストーリーは大したことなく、アクションを見せたいために話があるようなものです。ですから見せ場の連続という感じで、楽しめることは楽しめるのですが、話がよくわかりにくい部分も少しありました。しかも、この作品は途中で終わる、いわば「前篇」の話です。話のわかりにくい部分は後篇で明らかになるんでしょうか?
監督、脚本(他もう一人クレジット)、主演は「SCORE」に出ていた小沢仁志氏です。その「SCORE」はアクションだけで話が何もない感じで、小沢氏の自己満足で作ってる(監督はしてなかったけど)感じがしたのですが、この「くの一忍法帖 柳生外伝」も似た感じがしました。彼が演じる柳生十兵衛が初めて登場する時なんて、スロー&ストップモーションでモロにかっこよさ狙ってたし。
登場するキャラクターが、タイトルになっているくの一はもちろん、無頼の剣豪に、怪しい坊主やくせのある悪党どもなど、「赤影」みたいな奇想天外時代劇の要素をめいっぱい詰め込んだ感じで面白いです。なぜか大阪城で死んだはずの千姫まで出てきますしねえ。白鳥靖代が千姫を演じているのは、第1作の「くの一忍法帖」でも千姫(たぶん)やってたからでしょうか?
寺沢武一がスーパーバイザーとなっています。そのおかげか、月を背に登場する般若面の男のカットや、なぜか城内らしき所で水に消えていく千姫(論理的ではないが)、天井からぶら下がる十兵衛とくの一達、ろうそくを切った時の火の粉の飛び方など、コミックというか、アニメの決めのレイアウトを思わせる、かっこいいシーンがいくつか見られます。
コスチュームデザインも寺沢武一が関わったのでしょうか?コミックタイプの独特のイメージを感じました。特に敵のキャラは不気味な雰囲気があっていいです。肌色まで白づくめの田口トモロヲ(今っぽい言葉づかいで怪しい)や、天草四郎みたいな格好の奴とか、公家や悟空や道士みたいな格好の奴など、かっこよくてうさんくさい悪役のイメージを集めた感じです。
この作品ではキャラクターが飛んだり忍術を使ったりする個所などに、合成シーンをかなり使っています。デジタル技術のクレジットで4社ほど出ていましたが、それだけ使ったのも無理はない数でしょう。
合成やCGは、Vシネにしては悪くないクオリティで、かなり金がかかったと想像つきます。特にゾンビ化の呪いをかけられたくの一の腐乱の傷が一瞬広がる合成&モーフィングや、くの一たちが覚醒する時に額に浮かぶ光の紋章の効果はいいです。額の紋章のシーンは、彼女たちが頭を動かしているのにも関わらず、違和感無く合ってました。撮影時に、額に紋章のシールでも貼って合成時に消したのでしょうか?
ただ、全ての合成シーンが上手いわけでもなく、くの一達が初めて登場するシーンなんて、飛んでいるくの一達のプレートがモロに静止画だと分かってしまうのには閉口しました。
森山裕子は「ゼイラム」シリーズで慣れているせいか、アクションには合ってました。動きも悪くないのですが、目が鋭い感じがしていいです(といっても、「隠し砦の三悪人」の上原美佐には及ばないけど)。
他にくの一役で「ウルトラセブン」ビデオ版に出ていた鵜川薫と菅原晶子が出ているのが楽しみなところです。この人たち、妙に特撮系に縁があります。
初めのナレーションに中国語を使っているのはオリジナリティを感じました。中国語という必然性はおそらく無いと思うのですが、外国語のナレーションを使うなら、ここは英語よりは合ってるし、新しい感じがします。
人が無意味に殺されるシーンが多く出てきます。制作者達がスプラッタ好きで入れたのかもしれませんが、こういう、罪も無い人々が無残に殺されていくシーンは見ていて不愉快でした。
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前回の不気味な敵キャラに、さらにオールマイティ不気味キャラ役者(失礼な書き方?)=麿赤児と、Vシネづいている栗林知美が加わったのがパワーアップという感じです。麿赤児の演じた悪側(二役)のキャラは名前からして、芦屋道満がモデルのような気がします。
アクションは今回もがんばっています。カット割りもスピーディーでいいです。アクションが異様に速いカットはコマ抜きしてるのでしょうか? 吊りシーンもがんばってるし、香港映画的テイストを狙っている感じがします。ナレーションも中国語だし。
今回のCGやデジタル合成は前回ほどはアラを感じませんでした。特にタイトル前の、くの一達が峠から会津の城下街を見る、カメラが上がっていく全景のクレーンショットで、会津の街はCGだと思いますが、前景の人物たちを撮ったカメラの動きとピタリと合っていて、うまい合成です。
今回も剣の上に立つ十兵衛など、かっこいいイメージが出てきます。玉が出てくるのは「里見八犬伝」のパクりでしょうか?そういうよりこの作品の場合は、やりたいものはパクりでも何でも使う、と前向きに解釈すべきでしょう。
前回は十兵衛が目立っていましたが、今回はくの一たちも十兵衛も同じくらい活躍して、均整が取れていたのはいいです。ただ、今回は十兵衛が女たちの死に怒って戦う、という状況が目立ったせいか、いかにも強くて優しいキャラという感じが前回よりも匂いました。でも十兵衛の怒り目のアップは迫力あり。
前作もそうでしたが、エンディングで役者の顔を出しているのが、誰が何を演じていたのか分かって親切です。それだけ役者に自信があるということですかぁ?小沢監督!
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あの天海僧正(麿赤児二役)まで出すとは、話を大きく広げたものです。話を単純に進行させない駒として登場させたのでしょう。ただしそのせいか、一度十兵衛たちが敵の喉元に行きながら捕まってしまうという、前回と同じパターンを繰り返していたのはどうかと思いますが。
栗林知美は熱演してましたが、最後に彼女が十兵衛に寝返る理由が不自然な感じがしました。最後まで悪女に徹した方が良かったと思います。女を悪くしたくないのかなあ?彼女が火の中に沈んでいくシーンはいいイメージでしたが、そんなシーンがあるせいか、彼女は実はゾンビじゃないかと想像していました。
最後に剣が出現しますが、RPGの影響ぽいです。そんなもの出す必要は無いと思うのですが、やりたいことをやってしまうこの作品であれば、それもありかもしれません。でもどうせそこまでやるなら、この剣でしか倒せないような敵でも出してほしかったと思います。
この剣が消えるショットは、剣を持った森山裕子の手から剣のみを2Dデジタルでフェードアウトさせたと思いますが、これもうまいイフェクトでした。
くの一達のうち何人かがやられるのは、進行上仕方ないことでしょう。全員生き残れば御都合主義だし。しかし、鵜川薫と菅原晶子が途中で死んでしまうのは(個人的好みとして)残念でした。彼女らの死のシーンは哀感あったけど。
最後に十兵衛の父親である柳生但馬の守が出てきましたが、エンドクレジットを見ても誰がやってたのか分かりませんでした。
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これは一般の劇場公開用ではなく、98年夏に行われた、平家みちよとモーニング娘のコンサート時の上映用に製作され、その後すぐにビデオ化された作品です。劇場公開されていないので、ここではビデオのカテゴリーに入れておきます。
コンサート用ということで、やはり、平家みちよとモーニング娘のファンのための映画です。彼女らがカメラ(観客というか、この場合はコンサートのファンというべきか)に向かって喋ったりしますし。普通の人が見たらなんだこれは!と怒るかもしれません。約1時間の本編の後に、モーニング娘のハワイでの行動を取っただけの「モーニング娘inハワイ」が20分も入ってますし。これはファンしか見ないでしょう。
話の展開は読めるのですが、ストーリーはそう重要ではないでしょうからいいのでしょう。ストーカー物の話ですが、最後にストーカーを倒すのがモーニング娘でないのはファンにとっていいのかな?とは思いました。
「うたばん」でモーニング娘がゲスト出演した時、この「モーニング刑事。」の中盤、彼女らがストーカーを追いつめるシーンを見せてましたが、そこだけ切り取って見せられると恥ずかしいものがあります。
監督の今関あきよし氏は「アイコ16歳」をやった人で、最近では佐藤藍子主演の「タイムリープ」を監督したりして、美少女路線では評判のいい演出家のようです。ただ、キャリアは結構長い人なのですが、今一歩メジャーになれない感じがします。
今関監督はテレビ東京で深夜にやっていた平家みちよ&モーニング娘出演の「太陽娘と海」をやって以降、その後に始まった「風の娘たち」や、平家みちよ主演の「ワイン娘恋物語」など、このテレ東深夜の路線には縁があるようです。上の3作に出演していた柳沢尋美が「モーニング刑事。」でも脇役で出ていました。今関監督のコネかなあ?
ASAYANでオーディションをやった時、売り出しのメインは平家みちよだったのに、結局モーニング娘の方が売れてしまいました。単体では鈴木あみが人気あるし、一人の場合は小室哲也の方が売り方が上手いのでしょうか。
モーニング娘の人気は今や親分であるシャ乱Qを抜いてしまったと思います。しかもシャ乱Qは活動が制限されたから今後ますます不利でしょう。
平家みちよって落ち着いて見えるせいか、「太陽娘と海」では20代だと思ってました(ASAYAN見て無かったんで)。まさか高校生だったとは思いませんでした。だからどうってワケでもないんですが。
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3,4年前くらいに、月曜夜にテレビ朝日で放映されていた「本当にあった恐い話」から、「女優霊」「リング1&2」の中田秀夫監督の作品3本をまとめたビデオです。
この「本当にあった恐い話」は、夏の風物詩ともなっている(と思う)「あなたの知らない世界」をレギュラー枠でやったような作品で、1時間枠の中で視聴者の実体験を基にした(という話)2,3本の異なったエピソードが放映されましたが、何本か「これは恐い!」と思った作品がありました。今回「呪死霊」というタイトルでリリースされる作品の内容紹介を見てみると、3本ともTVで見た時に「恐い」と印象の強かった作品のようなので、確認のために見てみました。思った通り、3本とも内容を覚えていた作品でした。さすが中田監督!
幽霊が鏡に一瞬映るような、「女優霊」や「リング1&2」でも見られたショック演出がすでにここに現れています。こういった一瞬の怖さの出し方が、短くもなく長くもなく、ちょうどいい感じで出しているのには感心します。こういうタイミングって映像センスがモノを言いますから。
第1話は羽田美智子主演の「呪われた人形」です。タイトル通り、魔物が乗り移った人形に羽田美智子がいたぶられる話です。
脚本は高橋洋氏で、この人は「新生トイレの花子さん」の脚本を書いているのですが、この「新生トイレの花子さん」も人形ネタの話で、見た時に真っ先に「呪われた人形」を連想しました。「新生−」での、人形が怪物化したり、人形を供養したりするシーンの原点はこの「呪われた人形」といえそうです。人形がこっちをじっと見つめる一瞬のカットは恐い!
しかし「踊る大捜査線」でもそうだったけど、歯の矯正具ってやっぱり不気味なイメージなんですかね。
今や映画づいてしまった感じの羽田美智子ですが、この「呪われた人形」ではまだ初々しい感じがします。現在はこういうホラー物であってもゲスト出演してくれるのでしょうか?
第2話は丘みつ子主演の「死霊の滝」です。滝にキャンプに来た親子が、悪霊となった自縛霊に狙われる話です。
これで恐いと思ったのは、この自縛霊です。滝に棲んでいるのでいつも濡れている、というのがまず不気味だし、照明の当て方もこの幽霊にだけ常に緑のライトを当てているのがさらに不気味です。
さらに恐いのはこの幽霊の登場の仕方で、カメラがパンするといきなり幽霊がフレームインしてくるカットはギョっとさせられました。地面や車の天井からいきなり現れる出方も恐い!特に、この幽霊が消えるときに川の中に全身を沈めていくシーンはTVでもよく覚えていたシーンです。ただこれを見ていたとき、恐いーと思いながらも、やってる役者も大変だろうなーと思って見ていましたが。
クライマックスは親が子を救う形ですが、これは「リング2」でのクライマックスの井戸のシーンとよく似ていると感じました。先にできたのは「死霊の滝」の方なのだから、「リング2」がこのパターンを使った、ということでしょうか。この「死霊の滝」のラスト、感動的でとても好きな終わり方です。
第3話は白鳥靖代主演の「幽霊の棲む旅館」です。古い旅館に泊った3人の女性のグループの一人が、あてがわれた部屋に棲みついていた幽霊と同化してしまう話です。
水野美紀が姉達?(この関係がよく分からなかったけど)に疎外され、孤独になっていき、幽霊と同化していくプロセスが短くもなく長くもなく、ちょうどいいテンポで描かれています。これに出ている水野美紀はまだ初々しいです。中村由真も出ているのですが、今はどうしていることやら。
ここで恐いのは幽霊よりも、それに同化してしまい、首を折れたように傾け、顔を髪でほとんど隠しながら白鳥靖代と中村由真に迫る水野美紀でしょう。
旅館のおかみを演じる江波京子も不気味でした。最後の「棲んでるんだもの」のセリフははっきり覚えていました。
それにしても、今回収録されていた3本とも、幽霊は女性で長い髪を持っていて、その長い髪のために顔が見えなかったり、と女性の長い髪が印象的に使われています。「女優霊」「リング1&2」でも同じようなパターンで長い髪が使われていましたが、中田監督って女性の長い髪に怨念を感じてるのでしょうか。
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現代版「仕置人」という触れ込みだったので、「ザ・ハングマン」みたいに「悪事を公然のもとにさらす」話になるかと思ってましたが、それとは違い、悪を暴くのではなく、悪の側から巨額の現金を受け取って事件をチャラにする、という話は今っぽい、リアルな感じがしました。
竹内力はいつもの感じなものの(この人はこれでいいのだけど)、野村祐人や西守正樹ら、39の各メンバーの個性がはっきり出ているので、彼らの過去が見たくなりました。
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おそらく日本初のフルCG長編OVAでしょう。作ったスタッフの意気込みには共感できるのですが、アラがかなり目立ちました。
製作者は「人形劇を目指した」そうで、この作品には3DCGフィギュア・アニメーション・ムービーなる副題が付けられていますが、それにしてもキャラの表情が乏し過ぎます。人形にするのなら、人形なりの表情の出し方を追求すべきでした。「サンダーバード」の方がもっと表情は豊かだったと思います。
キャラ自体は高田明美らしい雰囲気を出そうとがんばっている感じはしますが、作りや質感がまだ雑です。リアルな人間を表現しようとする「ファイナルファンタジー」のスクエアとは人物表現の方向性は違うでしょうが、それと同等のクオリティはほしいです。人に見せる作品なら、「Shade」のイメージキャラで週刊誌のグラビアも飾った「テラダユキ」くらいのクオリティにはするべきでしょう。
キャラデザインが高田明美で、シナリオが伊藤和典のせいか、キャラのイメージはどうも「パトレイバー」の後藤や香貫花や野明を連想してしまいます。
ポリゴンが人物にめり込むカットもありました。ゲームのCGでもこういうことは多いですが、映像作品でこういう素人並みの欠点は排除してほしいです。
セリフの間が開きすぎるとこが目立ちました。先に編集した映像と、アフレコで取った声の尺にずれが出たためだと思いますが、MA後に再度編集をやって、間の空いた部分をカットすべきでした。
シャトルなどのメカのシーンは、人物のシーンと比べると演出も編集もよく、気合いが入った感じがしました。メカを見せたいためにこの作品を作ったのかと勘ぐってしまいます。
CGのクオリティにいろいろ不満はありますが、話自体は退屈しなかったし、こーいうフルCG作品を作り続けていくことで、シナリオも含めた、日本のCGムービーの技術が上がっていくと思いたいです。「青の6号」なんて、3DCGと2Dアニメの合成は違和感があると、業界内では不評のようですが、試み自体はもっとほめてもいいと思います。
エンドクレジットで、コンピューターでの協力会社のロゴマークが出る時、そのロゴマークが画面半ばに来ると、会社名に変わる手法は面白いです。これだとロゴマークとメーカー名が一致して分かり易いです。
ラストは「ウルトラマンダイナ」を思い出しました。
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アイドル売り込みの過程を追うドキュメンタリー番組の、撮影の最中に霊現象に遭遇してしまい、その事件をまとめたドキュメンタリー、という構成の作品です。
つまり普通のドラマではなく、「矢追純一UFOスペシャル」みたいな「本当に起こった話」という構成を取っているのがユニークです。
「女優霊」やTV「世にも奇妙な物語」での「見たら最後」でやってたような、ふと気がつくと幽霊がいた、という感じの「さりげなさの怖さ」はよく出ています。この作品のリリースは1989年なので、「女優霊」などに影響を与えた可能性はあると思います。
ただ、「女優霊」は迫ってくる幽霊が凄く怖かったのですが、この「邪願霊」にはそういう怖さは感じませんでした。
人が死ぬシーンが2個所出てきますが、ドキュメンタリーぽさを目指したためか、それらのシーンはワンカットで見せています。
普通に演技するライブアクションから、SFXを使った死ぬシーンへ、普通ならカットを割るところを、そう思われないようにワンカットぽくつないで見せています。
本当はカットを割っているかもしれないのですが、カメラの前を人が一瞬さえぎったり、暗くしたりして、上手くワンカットらしくつないでいるのには感心しました。
アイドル売り込みの話ですが、出てくるアイドルがかっての松田聖子のような、いかにもアイドルしているのが、80年代という時代を感じました。
ビデオのパッケージには竹中直人や水野晴男が出ていることをウリにしていますが、この人たちの出てくる意味は何も無いです。
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ビデオ会社に「投稿」されてきた、あるいはその会社で見つけた、霊現象が写っていると思われる「本物」のビデオの紹介と、そこに写っているものを検証する作品です。
出てくるビデオが「本物」かどうかは置いておいて、ただのホラーものビデオと見れば、演出は単純なものの、それなりに怖い感じには仕上がっていると思います。
しかし、この中で紹介されている「本物」ビデオには「やらせ」臭さがぷんぷん匂います。
例えば、初めに紹介され、この作品の中では一番大きく扱われるビデオテープである、アパートのテレビに霊が写っていた話は、ビデオの撮影中に白い服を着た人間を出すだけのトリックで簡単に出来そうです。その人間が別の部屋に隠れていれば分かりませんから。
また、結婚式の出席者の背中に腕が浮かび上がるビデオなどは、ビデオ合成くさい映像でした。
最後に紹介される、 大学構内で撮った浮遊霊も、霊自体はスライドで光を写したようにしか思えません。
数あるビデオの中には、カメラがパンした時にだけ写っている、トンネルの中を歩く霊(?)のような、撮り方が推測つかないものもありますが、ほとんどのビデオはトリックや合成で簡単にできるでしょう。
しかし、なんといってもうさん臭さの極みは、初めのエピソードの検証で、ビデオの中に入っている音を検証する学者のいる大学名が「北凰大学」とテロップが出たことです。そんな大学聞いたことありません。
「この作品は全て事実です」とか、「この作品はフィクションです」みたいなテロップは出さずに、嘘だとも本当だとも断言していないのが、この作品の信頼性を物語っていると思います。
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前作は、霊が写っていると思われる投稿ビデオの検証がメインでしたが、今回はついに、「見た人に不幸が襲いかかる呪いのビデオ」が登場します。
さすがに「見た人が呪われる」ビデオだけに、このテープは作品の一番最後、スタッフのクレジットが終わった後に、ごていねいにも「勇気のある人は御覧下さい」というテロップが出た後に流されます。
全体の内容は、この「呪いのビデオ」を見た人々にふりかかった「不幸」の証言集と、前作同様、霊現象が写っているビデオの紹介と、それを撮った人と、取った場所にまつわる証言(「昔事故で人が死んだ」とか)で構成されています。
しかし今回も前作と同じく、うさん臭さが漂います。
カメラに映るはずのない人影が映った、とか、そこにいるはずのない人の声が入っていた、とか、足が切れて映っていた、とか、どのビデオもトリックや編集で出来そうなものばかりです。
今回紹介されるビデオは、前作よりさらにせこい撮り方の感じで、前作で紹介されたビデオの方がまだ、いくらか怖い感じがしました。
中でも一番普通に撮れそうな映像だったのは、今回の目玉である「呪いがふりかかるビデオ」の映像でした。「どこが霊現象だ?」と思うような何の変哲もない映像で、全体の大部分を構成するこのパートは、証言だけで「呪われている」と思わせるせこいやり方です。
なんといっても、この「呪いがふりかかるビデオ」自体、スタッフは編集作業で何度も見ているはずですから、もし本当にこれが「呪いがふりかかる」のなら、スタッフに不幸が起きて、このビデオはリリースはされないでしょう。
とはいえ、僕はこの映像は一度しか見ませんでしたが(ゲンかつぎ、かな)。
前作で登場した「北凰大学」もまた出てきますし、こんなビデオを本当に信用してる人がいれば、よっぽど騙されやすい人(宗教とか引っかかりそう)だと思います。
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戦慄のムー体験:特別版 |
「リング0/バースディ」の鶴田法男氏が以前に監督した、雑誌「ムー」の読者が投稿してきたいくつかの恐怖体験の再現ドラマのうち、5本を鶴田監督の談話と共にまとめたビデオです。
鶴田監督はビデオ作品「亡霊学級」やTV「ほんとうにあった怖い話」など、ホラー物をかなり手がけていて、演出には定評があるようです。
この「真・恐怖体験」に収録されたエピソードのうち、初め2本は幽霊ネタで、両方とも演出はスタンダードながら、怖がらせてくれます。特に1本目では「ここで出てくる」と予想がついたはずなのに油断していたため、悲鳴を上げてしまいました。
2本目の話は鶴田監督自身、ジョン・カーペンターの「ザ・フォッグ」を思わせる、とコメントしていますが、この話も不気味です。
この作品の面白いところは、全作品が幽霊モノではなく、それ以外のあと3本は妖怪(というか、生き物らしい物体)、ドッペルゲンガー、予知夢、とジャンルに幅を持たせているところです。この点は不可思議なネタなら何でもありの「ムー」と似ています。「妖怪」のエピソードはすぐに終り、特撮もダサくて、「何これ?」な感じですが
話の始まりには、ごていねいに画面に手形が出てきて、「この手に触れれば呪いはかかりません」とのナレーションが笑わせてくれます。「何アホなこと」と思いつつ、画面に手を合わせてる自分も信じやすいのかなあ。
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