2月7日水曜日。曇り。

今日は朝から吾郎がいない。
ごはんだけはくれたけど、挨拶もそこそこにどっかに行った。
失礼なやつ。

だから俺はドアを開ける練習をしてる。
吾郎がいると傷がつくとかなんとかギャンギャン言われるから。
でも、今日はゆっくり練習できそうだ。

でも、なかなか届かないんだよな。
俺、ちっちゃいのかな?
しかもすぐ疲れちゃうし。
体力ねぇな。
でもドアさえ開けられるようになれば、かなり自由になれるんだよ。

前みたいに、いきなりドアが閉まって閉じ込められる事もないし、吾郎にわざと閉じ込められる事もなくなるもんね。
あいつ、俺が開けられないからってさ、超ムカつく!
「ちょっといい子にしててね」
とか言って部屋の中に押し込んだり、
「もう!ぴろた!ダメでしょ!」
とか大声出して押し込んだり、あ〜もうやんなっちゃう!!


でも、なかなか届かないよ。
もう!!
大きくなれば開けられるようになるのかな ??
でも、いつになったら大きくなるんだろう?

考えてたら眠くなってきちゃったし。
俺、すぐ眠くなっちゃうんだよね。
吾郎はずっと起きてんのにさ。
もう、やだやだ。


あ、今日はカリカリもコロコロも食べていいんだ。ラッキー。
こないだ、吾郎のともだちの家で食べたコロコロ。
吾郎も買ってくれるようになったんだよね。


でも、つまらないし、飽きちゃったし、疲れちゃったし、眠いし。
も〜う!!






「あれ?ぴろた。こんな所で寝てるの?風邪引いちゃうよ。」
邪魔すんの、誰だよ!
「ごはんも食べてないの?もしかして、ずっと寝てたの?」
ん?吾郎、帰ってきたの?

「あ〜!ドアにこんなに引っ掻き傷!もう!!ぴろた!!」
うるさいなぁ。寝たふりしちゃおう。
「もう!バカぴろた!」
今、なんか言った?なんかイラッとする事、言ったんじゃねぇ?
もっと引っ掻き傷作ってやる!

「あ、ぴろた起きた?」
「……」
「ぴろた?」
「……」
「あ!ドア!ダメ!」

へへんだ。いつも負けてられっかよ。




「ちょっとぴろた、どうしてダメって分かっててするの?僕はそんな何度言われても分からないようなお馬鹿さんに君を育てた覚えはないよ。」

なんか吾郎が語ってる。長くなりそう。俺、お腹すいちゃったんだけど、ごはんの所、いけねーよな。
だってしっかり掴まれちゃってるし、おまけに持ち上げられちゃってる。

「ちょっと聞いてるの?ぴろた」
「そんな近くで喚かれたら聞こえるに決まってる」
「何?今、なんて言ったの?」
あ〜あ、面倒な事になったよ。
「いい?ぴろた。もうやっちゃダメだからね!」

べー、だ。
いつも俺負けるんだもん。
絶対強くなってやる!







2007.2.7UP

まだまだ吾郎さんには勝てないぴろくんです。