―お待たせいたしました。「二人の生活」第二回目の放送です。
 今回は「カーテンを買いに行こうの巻」買い物に出かける二人の様子をお楽しみください。―




二人がマンションにやってきた。
部屋の鍵を開けたのは木村。すぐにソファーに座りこんだのは中居。

―今日はカーテンを買いに行って下さい―

中:「カーテン?!」
木:「確かに必要だな」
中:「でも、どうせここにいる時間なんてそうないだろ」
木:「でも、このままじゃ、いくら一階じゃないったってまる見えだよ」
中:「じゃあ、行くか」

面倒臭そうに言った中居は、それでもすぐに立ち上がり、玄関へと向かった。
今にも靴に足を突っ込もうとしている中居に木村が声をかける。

木:「ちょっと、ちょっと中居さん」
中:「あ?買いに行くんだろ?」
木:「あの…窓のサイズとか計らないと買いに行けないんですけど」

中居は一瞬ブスッと顔を曇らせたが、すごすごと木村のいるリビングに戻ってき た。

木:「メジャー。メジャー。中居も探して!」
中:「は〜い」

中居はやる気がなさそうだ。他の物に気を取られている背中に木村が近付く。

木:「こらっ!」
中:「ぅわっ!」

びっくりした中居は涙目で木村を見上げる。

木:「ちゃんと探しなさい!」
中:「はい」

しょぼんと落ち込む中居。
でも、それが見せ掛けである事くらい、木村にはお見通しだ。

木:「真面目にやれよ」

木村の努力もむなしく、メジャーが入っていたのは中居が探していた方の引き出しだった。
見つけた中居は手に取ると意味深な笑顔をカメラに向けた。

中:「た・く・や」

床に座り込んでいる木村に後ろから抱き着く。

中:「あったよ」

さながら恋人同士のような中居の行動に木村が顔を赤くする。

木:「ぅわっ!おまっ!なんだよ」
中:「あったよ」

柔らかな笑顔で木村を覗き込む。

木:「あ、あぁ。」
中:「拓哉、照れてるぅ」

どうやら中居は恋人ごっこを始めたようだ。

木:「ちげーよ。もう!さっさと計るぞ」
中:「はーい」

木村の後ろに中居が引っ付いて部屋を移動する。
各窓の幅、高さを計る二人の息の合い方はさすがだ。端と端を押さえ、目盛りを読み上げると、さっとそれを紙に書く。
順調に行きそうだった。が…

木:「次!リビング」
中:「ラジャー!」
木:「中居隊員、そっち持って」
中:「はい!…あの…隊長!」
木:「ん?」
中:「届きません!」

いつの間にか、彼女から隊員になっていたらしい中居が、敬礼しながら泣きまねをする。

木:「中居隊員!」
中:「はい!」
木:「椅子を持って来て下さい!ってゆうか、これは俺も届かないだろう」

椅子を持ってきて、リビングの窓のサイズを計り終えた所で計測終了。

木:「じゃあ…行くか」
中:「はい!」

―車で行ってきて下さい―

渡された地図を見て、用意された車に乗って移動する。運転するのは木村に決まったらしい。   

木:「それじゃあ、出発!」
中:「進行!」

車の中での中居は饒舌で、カメラを意識しているからなのか、単にテンションが上がっているのかよく喋り、よく歌った。

中:「今日さ、すっげぇ変な夢見たの。吾郎がトランプの中に埋もれてる夢。そんでさぁ、あいつ必死でさ、必死にもがき過ぎて指まで骨折しちゃうの。あれなんだったんだろう?新しいコーナーかな?木村もいたし、誰だっけかな?女の人もいたな。ゲストって感じ。予知夢だったりして。そういうコーナーやるって言われ たら吾郎に忠告してやろ。」

慣れない道に集中して車を走らせる木村は特に相槌を打つこともなく途切れる事のない中居の話を聞いていた。

中:「なぁ、夢がカラーだとストレス溜まってるんだって!俺、誰が何色着てたとかはっきり覚えてるんだけどさ、疲れてるのかな?ま、疲れてるよな。俺、いつから休み無いんだろ?木村、知ってる?知らないよなぁ。……それでさ、」
木:「……」
中:「なぁ、聞いてる?」
木:「聞いてるよ。吾郎が怪我して、中居はストレス溜まってんだろ。」
中:「ん。や、ちょっと違うけど。」
木:「で、どうしたの?中居、緊張してるの?」

タイミング良く、いや、中居にとってはタイミング悪く信号が赤になり、木村が中居に向き直った。

木:「こんなに喋り倒して、どうした?熱でもある?」

自然におでこに手を当てる木村に中居が顔を赤くする。

木:「熱はないか。どうした?」
中:「信号、青」 それには答えずに中居がボソッと告げる。

木:「で?」
中:「え?」
木:「や、話の続き。まだ何かありそうだったから。ちなみに中居のこの前の休みは3日だよ。暇だっつーから海連れていったじゃん」
中:「!!」
木:「ん?」
中:「おまっ、お前なんでそういう事。テレビでそういう事言うなよ」

顔を真っ赤にしてシートに埋まっていく中居はまだぶつぶつと文句を言っていた が、木村は気にせず快調に車を飛ばした。
ひとしきりむくれた中居は、それに飽きるとダッシュボードを漁り始めた。

中:「お!SMAPがいっぱい!懐かしい!001あるよ。聞いちゃおう。俺、Run Run Run! 好き」

CDをセットすると流れてくるイントロにすぐに声を合わせる。
いつしか熱唱しだす中居を木村は嬉しそうに見ていたが、そのうち自分のパートを口ずさみ始めた。
木村の歌が熱唱に変わるまではすぐだった。二人の大合唱が車の中に響き渡る。

中:「懐かしい!このイントロ!」
木:「中居ちゃんの」
中:「初恋の人に」
中・木:「「会〜いた〜い」」

長く続いたラジオ番組のコーナータイトルコールを二人で再現する。

木:「あったねぇ」
中:「あったよぉ」

更なる思い出話に花が咲く前にカーナビが目的地に着いた事を知らせた。

木:「着いた!」
中:「よし!」

先に降りた中居は木村を待つこともなく先に進む。
遅れて降りようとした木村は中居が置いて行ったパーカーを一瞬迷った上で手に取り、車のドアを閉める。
ピピっと鍵を閉める音をさせ、木村が中居に近付く。

中:「それ、いらないから置いて行ったのに」

木村の腕にかかった自分のパーカーを見咎める。

木:「店の中、寒いかもしんないじゃん。いいよ、俺が持ってるから。」

それも嫌だと中居はそれを手に取った。

木:「先にやっぱりリビングかな?」
中:「おぅ」

少しまだ不機嫌そうな声音の中居は

中:「木村に任せるよ」

と小さく付け足した。

中:「俺、なんかそういうの分からないし。」
木:「別にそんな事はないと思うけど、レースのカーテンは付けような」
中:「ん」

開ける事のない中居の自宅のカーテンはただ目隠しの為だけに付けられていた。それを木村は嫌がって付け替えたらしかった。
広い売り場を二人が歩く。

木:「やっぱりリビングは落ち着ける色がいいよな。濃い青とか緑かな。」

ただ、木村について歩く中居と、あれこれ考えている木村。
強烈なオーラは出していないにもかかわらず、二人に近づこうとする人はなく、自然と道が開けていった。

気に入った物を見つけては中居に見せる木村に対して、中居はどれを見ても同じようなリアクションしかしない。

木:「中居ってリアクション下手だったんだ」
中:「へっ?!」

いきなりの木村の言葉に中居が顔をあげる。

木:「バラエティー番組が上手いし、表情豊かだし、リアクション上手いのかと思ってたよ」
中:「俺をリアクション芸人みたいに言うな」
木:「うん。今日見ててわかった。どれ見せても同じ反応だもん」
中:「や…それは別に」
木:「確かにプレゼントあげてもあんまり喜んでくれないしな…」

木村がぶつぶつと言う横で中居の表情がすーっと変わって行った。

中:「リビングは三番目位に見た紺地のやつがいいと思う。俺の部屋はさっき見たシンプルなの。お前の部屋はこれかそれ。レースは全部一緒に見えるからなんでもいい」

一気に言った中居に今度は木村が目を丸くする。

木:「言い放ったね。てゆーか見てたんじゃん、ちゃんと」
中:「見てないなんて言ってないし、ちゃんと考えてた。けど」
木:「けど?」
中:「木村に任せた方がカッコイイ家になるだろうなと思って」
木:「でも…お客さんお目が高いですねぇ」
中:「あ、そうですか?そんな事ないですけど」

木村のお店屋さんコントに即、中居が対応する。

木:「こちらの品物は質がいいんですよ」
中:「あ、そうなんですか?あんまりそういうの分からないんですけど」
木:「ほら、お値段も他とは違うんですよ」
中:「あ、本当だ」

木村に値札を見せられて中居が驚く。

木:「でも俺もいいと思ってたからー、これに更に遮光加工して貰って」



気に入った物を必要なだけ買い込むと二人は両手をいっぱいにして車へと戻る。

中:「これさぁ、やっぱり送って貰えばよかったじゃん」
木:「しょうがないよ。今日帰って付けなきゃいけないんだから」

ぶつぶつ二人が話しているが、明らかに木村が中居の倍持っている。
ドライブスルーで中居の好きな物を買い込み、うちに帰ってまずは腹ごしらえをする。 お腹も落ち着き、朝からの収録で疲れた中居があくびをした。

木:「ちょっと寝る前にこれ手伝えよ。寝たら別の番組になっちゃうんだからな」
中:「違う番組ってなんだよぉ」

突っ掛かる語気が弱い。

木:「ほらほら立って!」

引っ張り上げられ部屋を回る。隙さえあれば怠けようとする中居を木村がリードする。
椅子に上がり次々と付けていく木村とサポートという名の、ただ横にいるだけの中居。
それでも全て付け終わると「家−いえ−」ではなく「家−うち−」になった様子に中居が満足する。

中:「本物っぽい!本物の家っぽい!!」
木:「な。」

と同時に中居が木村の背にしな垂れかかる。

中:「…眠い…」
木:「ちょっと!中居?」

今回のエンドロールは慌てる木村とそれを尻目に背中で目を閉じる中居をバックに流れる。
最後にカメラが寄った途端中居がパッチリ目を覚まし、ピースして見せた。



―第二回『二人の生活〜カーテンを買いに行こうの巻〜』楽しんでいただけたでしょうか。
この番組ではみなさんの感想、リクエストをお待ちしております。それでは、第三回放送日まで、さようなら―」









2006.11.13 UP
たっくん お誕生日おめでとう!!
いつまでも末永くぴろたと仲良しでいてください。
やめるときも健やかなる時も隣同士でいてください。
たっくんの崩れるような笑みが今年も沢山見れますように☆