島後



フェリーから西郷の港。
右にある西郷自然館は結構目立つ。

隠岐の島の中では一番大きい島ですが、なぜか「〜島」ではなく、「島後」と呼ばれています。
この島には「西郷(さいごう)」という、隠岐の島で一番大きい町があります。
隠岐の中ではいちばん都会的な街なのですが、初めてここでデパートを見た時は「こんなところにデパートが?」と思ってしまいました(住んでる人には失礼)。
今はショッピングセンターや博物館まで出来て、ますます都会化した感じです。
でも、コンビニは無いみたい。











三度という村


真ん中が舗装されてしまった川。 三度の港を海から。


島前で一番大きい島、西ノ島の端に「三度(みたべ)」という、村と言っていい小さな集落があります。

母方の出身がこの三度で、祖母の兄弟姉妹がこの村に住んでいます。
その中の叔父が「三度荘」という釣り宿を経営していて、三度に帰ると必ず世話になります。
母と祖母がここにいた時に住んでいた、築60年ほどの家がまだあります。
今は誰も住んでいませんが、祖母の姉妹が掃除とかの管理をしてくれていて、お湯が出ない以外は寝泊まりに支障ありません。

この三度の真ん中には1本の川が流れています。
20年くらい前に三度に行った時は、その川でメダカが取れたりしたのですが、10年くらい前にまた行った時は、土だったはずの川岸が全てコンクリに埋め立てられていて、往時の面影が完全に姿を消したのはショックでした。

この村の港には砂浜があり、20年くらい前に行った時はそこでちゃんと泳げました。
しかし今回その浜を見てみたら、かってあった砂がほとんど消えて、石ころだらけになっていて、しかもゴミがたくさん打ち上げられていて、泳げる感じではなくなってしまっていたのもショックでした(水も濁っているものの魚はいるようで、釣りはできます)。
この三度の湾には、元々1つ船着き場があって、そこにテトラポッドを置いて、波を塞き止めていたのですが、10年以上前にその向こうに、もうひとつ桟橋のようなもの(「チッコウ」と呼ばれていました)を作ったせいか、波の流れが変わり、砂が浜に来なくなった結果、石ころだらけになってしまったようです。
離島振興法でお金が入るようになったのはいいものの、もらい続けるためには毎年お金を使わなければならないから、そういった開発にお金が回されるのだと思うのですが、その結果が上に書いたようなものならば、使い方をもっと考えてほしい気がします。
とはいえ、自分は三度に住んでいるわけではないので、何も言う権利は無いのでしょうが。

三度の「もと」砂浜。 これが築60年の実家。








サザエのいる海岸


こんな海岸。 透明度がすごくいい海。

叔父がサザエやアワビが取れる、特別なスポットに連れていってくれました。
本当なら、サザエやアワビは普通の人は勝手にとっては駄目で、必ず漁業組合の許可を受けなければないのですが、僕らくらいなら取ってもたかが知れてるそうで。
そこは三度の港から、船で10分くらい行った磯の海岸です。
透明度がとても良くて、一番深いところは30mくらいあったと思いますが、底がくっきりと見えました。

ここの海岸は、1〜2メートルの深さまで潜ると結構サザエが取れますが、中には潜るまでもなく、50cmくらいの水深に手を伸ばすとサザエがうようよいる岩場もありました。

サザエ以上に多かったのはウニでした。
サザエもウニも、岩の窪みに隠れていて、たいてい、表にサザエが、その奥にウニがいる、という感じでセットみたいになっていました。ただ、この時僕は手袋を持ってなかったので、素手でウニを取ろうという気にならなかったのですが。

魚もたくさんいました(名前に詳しくないので、何の魚かは不明です)が、イカが泳いでいるのも見ました。
何かスケルトンぽい物が泳いでいるな、とよく見てみると、先端のひれがひらひらとたなびく感じで動いているので、イカだと分かりました。
さすがに鋭いようで、近づくとさっと逃げてしまいましたが、珍しいのでしばらく追い回してました。

2時間くらいそこにいて、両手に抱えきれないほどの量のサザエを取りました。
後日、こいつはスチロールの箱に詰め、「氷を入れてしまうと死んでしまうから、入れない方がいい」という叔父のアドバイスにしたがって、氷は入れないで帰りに一緒に飛行機に乗せて家に持ち帰りました。
叔父の言った通り、帰ってもまだ生きていたのには驚きでした。

ちなみに、サザエの角の長いのと、短いのがいる理由は、角が長いものは潮の流れが速い所にいるモノで、短いものは流れがゆっくりしている所にいるモノだそうです。