マネージャー通信  Vol.6     2006.11.7

最近どうやらメンバーの間でちょっとしたいざこざがあったようです。
久しぶりに香取が中居に縋り付いているのが気になったのでちょっと様子を見てみました 。




「ねぇ、中居君聞いてよ」
「なぁんだよ。うっせーよ。忙しいんだよ」

自分の手をしっかりと握る香取を中居が嫌そうに見遣ります。昔はよく見られた懐かしい光景です。

「嘘だ。今、休憩時間だもん。スタッフさんも呼んでない」
「だから、俺も一人でゆっくり休憩したいの」

「一人」と「ゆっくり」を強調して香取の手を振りほどこうとしますが、香取はしっかり握りしめたままです。
中居はそれを見ると顔をしかめ、少し声色を変えました。香取がよく言う「怖い顔」と「怖い声」です。

「慎吾、たいした話じゃないんだろ」
「そんな事ないよ」
「木村に聞いてもらえ、木村に」
「中居君じゃなきゃダメなんだよ。聞いてよぉ、リーダー」

今日の香取に諦める気は無いようです。
普段中居の気持ちを敏感に察知する香取にしては珍しい。
そう思っていたら中居も同じように思ったのか香取の顔をじっと見据えました。

「しょうもない話だったら怒るからな」
そう前置きすると手近にあった椅子に腰を降ろしました。
香取はそれを見て慌て自分も座り込み、勢い込んで話を始めました。

椅子に逆向きに座った香取は大きな身振り手振りで悲しそうな顔や怒った顔をしながら何やら中居に訴えています。
足を組んで座った中居は指先で唇を弄りながら話を聞いていましたが、話の途中で立ち上がると、冷たく香取を見下ろしました。

「中居君」
「話ってそれだけか?くだらねぇ」
「ちょっと待ってよ」

ドアを出ていこうとする中居を香取が必死に引き止めます。

「ねぇ中居君。二人に言っといて。二人の事怒っといて」
「知るか。自分で言えよ」

中居は冷たく香取を切り捨てると部屋を出ていきました。落ち込む香取が可哀相でしたが、
中居の行き先が気になったので廊下に出てみます。

そこにはたまたま知り合いの女優さんと話し込む稲垣がいました。
中居は女優さんに軽く会釈をして通り過ぎようとしましたが、話が終わりそうな雰囲気に足を止めます。

「吾郎。ちょっと」
二人が手を振り別れたのを確認して、中居が顎で付いてくるよう指示します。

「ん?何?」
廊下の先で二人が話を始めました。

「何?中居君に呼び出されるの久しぶりだなぁ」
稲垣は軽口を叩きますが中居の無表情さに笑顔を引っ込めます。

「何?僕…何かした?」
「お前さ…」
「うん」
「まだ剛と二人で食事行ってるのか?」
「え?う、うん。この間もね、」
「なんか慎吾が煩いから、あいつも誘ってやれよ」

さっき香取が訴えていたのはこの事のようです。本人の前では冷たく切り捨てても、結局仲介役を果たす事にしたようです。

「だって」
「だって?」
「剛と二人の方が静かに飲めるし」
「そりゃそうだ。けど、行きたがってるんだから誘ってやりゃいいだろ」
「でも二人がいいって言うのは剛だし、僕も誘われてるわけだから、」

長くなりそうな稲垣の様子を見て取って中居が話を中断させます。

「とにかく!お前が一番お兄さんなんだから、下三人仲良くやりな」
「えぇ〜」
不満そうな稲垣を
「いいな!」
と一言で黙らせると中居は今度こそ自分の楽屋に戻ろうとしました。

が、そこに 木村が顔を出しました。

「じゃあ、本物の一番お兄さんが四人まとめて誘ってよ」
「木村…」

中居がぐったりとうなだれます。

「お前までそんな事言うなよ。お前くらい味方でいてくれよ」
「や、味方だけどさ。そうすりゃ手っ取り早いかな、と思って」
「いいねぇ、じゃあ僕お店予約しようか。」

調子に乗って言う稲垣を中居が力なく睨み付けます。

「いいんじゃねぇ?中居が自分で探すより手間が省けていいじゃん」
「ちょっと木村ぁ」

「吾郎が本気にするだろう」
と中居は批難しますが一歩早く木村が中居には分からないように稲垣に合図を出していました。

「剛〜、慎吾〜、5人でご飯行くよ〜」

口を塞ごうとする手も蹴りを入れようとする足も届かない所まで離れた稲垣が廊下に声を響かせます。
その声にドアがすぐに開かれ頭が二つ覗きました。

「一番大きいお兄ちゃんが誘ってくれたよ!」
嬉しそうな稲垣の声に香取が満面の笑みを零します。
「いつ?今日?どこ?何食べに行くの?」
「僕の今日は気分はね……あ、吾郎さんのお勧めは?」
「そうだねぇ」

話はどんどん進んでいきます。
恨めしげに見上げる中居の肩を宥めるように木村が抱き、三人の輪に合流しました。

「明日も収録あるんだから、飲みすぎんなよ!酔ってもほって帰るからな!」
「「「「はーい」」」」

そうして五人は収録後仲良く食事に出掛けて行きました。



結局、大騒ぎした香取よりも先に中居が酔い潰れたと後で草gがこっそり教えてくれました。
そんな中居を助手席に乗せて木村が先に帰って行ったとは稲垣からの報告です。





2006.11.7UP
ストスマ キャッチボールSMAPより
即効で思いついたネタです。
「僕も誘ってよと言う慎吾が可愛過ぎたので。
「そんなこと思いつきもしなかった」という吾郎さんは
そっけなさ過ぎるし。間に立ったアニキつよぽんは
「吾郎さんと二人がいい」らしいし。
面白すぎる三角関係です。