6月28日木曜日。曇り。

さっき、吾郎に踏まれそうになった。

「あ、ぴろたごめんね。今日中にやっちゃわないと、明日から雨だから」

つゆなんだって。
だから忙しいんだって。
俺は最近暑いんだけど、それがつゆなのかな?

また踏まれそうになった。
もう!

「あ、ぴろたごめんね。もうすぐお客様来るから、お掃除しないとね。ぴろたも汚さないでよ」

本当は吾郎と遊んでやってもいいんだけど、今日はじっとしててやるんだ。
だって、ちょっと目が三角だから。
しょうがないから一人で遊んでようかな。
俺の丸いのどこかな?
あの、茶色の中かな?

ドン
バタン
ガシャン

あ・・・。

倒しちった。
でも、パリンってなってないから大丈夫だよな。

「ぴろた?もう!どうして散らかすの?ダメでしょ!」
「俺の丸いのどこ?」
「ダメ!おとなしくしてて!」

吾郎がなんかぶつぶつ言ってる。
俺の丸いのは出てこない。
つまんないの。

しょうがないから、ジャンプの練習でもしようかな。
俺、最近テーブルの上に乗れそうなんだよね!
もう少しでドアのところにも届くと思うんだ。
吾郎にも見せてやろうかな・・・。

「なぁ、吾郎。」
「ん?なに?ごめんね、暫く一人遊んでてね」

あ・・・行っちゃった。
なんだよ、なんだよ。

しょうがないから、吾郎のこと見てたら目が回りそう。
あっち行ったと思ったら、こっち来て、また向こうに行って。
要領悪いんじゃねえの?


「よし!できた。準備完了。」


ピンポン


「あ、来た。」
「誰?」

「いらっしゃい。」
「お邪魔します。よ!ぴろた。」
「あ……。」
「あ、もしかしてこのキャリーケース。」
「そう!」

なんだろう?この人の荷物、もぞもぞしてる。

「じゃん!」
「うわぁっ!!」
「あ、ぴろたがまた驚いた!」

もうなんだよ。
びくってさせんなよ。
しかも、すっげー楽しそうに見てるし、なんなんだよ。

「あら?猫にするんじゃなかったの?」
「そう思ってたんだけど、実際にペットショップに行ったら、やっぱり俺は犬かな?って」
「まぁ、確かにそうかもね。まだ、赤ちゃん?」
「うん、ぴろたより全然小さいんじゃねぇ?体は既に同じくらいだけど。」
「へぇ、可愛いね。」

なんかちっこいのがもぞもぞしてる。
前に玄関にいたのと違って、こいつ、本物?

「名前は?」
「しん。」
「しん?」
「そう。」
「よろしくね、しんくん。」

「ねぇねぇ」

うわっ!話しかけてきた!

「ぼくね、しんくん」

興味ねぇし。

「ぴろたの方がお兄ちゃんなんだから、仲良くしてあげてね」
「頼むな、ぴろた」

やだよ、俺、やだよ。

「あのね、ぼく、しんくん。お兄ちゃんは?」
「え?」
「おなまえ。ぼくは、しんくん」
「あぁ。名前ね。俺、ぴろ」
「ぴろくん、あそぼ」

やだよ、なんでこいつ、こんなにフレンドリーなんだよ。

「ぴろた、びびってる」

あ・・・また笑われた。

「そりゃ、今まで人間としか接してないからね。」
「ふーん。あ、あいつは?」
「もうすぐ来ると思うよ」

俺とこいつ、二人にするなよぉ。
ちょっとぉ、なに、くつろいでんだよぉ。
なぁ!!

「ちょっとぉ!吾郎!!」
「なに?ぴろた、しんくんと仲良くしてあげな。」
「やだよぉ。だって、こいつ、なんか行動読めないし、じっとこっち見てくるし」

「ぴろた、戸惑ってるね。」
「だな、結構、人見知りだよな、ぴろたって」
「あ、そうかもしれないね」

「なぁ〜!!」
「ぴろくん、あそぼ」
「・・・・・・」


ピンポーン

「こんにちは」
「いらっしゃい」
「お邪魔します」

あ、コロコロの人だ。
みんなともだちだったんだ。

「あ、もう来てたんだね。あ!どうしたの?買ったの?」
「うん。うちに来たばっかり。」
「へぇ、名前は?」
「しん」
「しんくん、こんにちは。ぴろたくんもこんにちは」

俺、付け足しかよ。
なんだよ。

「さ、みんな揃ったから、お昼にしよう。」
「お!吾郎さんの手料理!」
「ほら、ぴろたもお昼にするから、そこで固まってないで、こっちにおいで」
「一緒に食おうぜ、ぴろた」
「え・・・やだ。」
「ぼく、たべる!!」

なんか、もう俺、疲れちゃったよ。

「あ、僕、今日も、ぴろたくんにおやつ持ってきたよ」
「え?まじで!!コロコロじゃん!」
「よかったね、ぴろた。剛にちゃんとお礼してね」

へぇ、この人、剛って言うんだ。
じゃ、この、いっつも俺のこと見てる人はなんていうんだろう?

「木村君、しんくんのお昼はどうするの?ぴろたと一緒ってわけには行かないよね?」

ふーん。木村か。

「ほら、ぴろた、お昼だよ。召し上がれ」
「ぼくもたべる」
「あ、俺の食うなよぉ!」
「しんくんはこっちだよ」
「ぴろくんといっしょがいい。」
「ほら、しん、こっちおいで。」

あ、あっち行った。
木村のおかげで助かったよ。
なんか苦手だな・・・。
本当、疲れちゃったし。

「なぁ、吾郎」
「何?もうご馳走様?」
「膝貸して」
「何?え?乗ってくるの?」
「眠い」
「食べてすぐ寝ると太るよ、ぴろた」
「吾郎さん・・・それは関係ないと思う」

もう、眠い、眠い。
ふぅ、吾郎の膝の上、気持ちいいんだよね。

「木村君・・・お願いだからそんなに睨まないで。だから、猫にすれば?って言ったのに。」
「しんくん、大きくなりそうだね。」
「凄い勢いで食べてるもんね。膝の上に載せたら重いだろうね」
「なぁに?」
「あ・・・いいタイミングで顔上げた。」
「聞こえたかな。なんでもないよ、しんくん」

眠い
めちゃくちゃ眠い

なのに
視線を感じる
絶対あいつだ!
もう!!

「ほら、木村君があんまり見るから、嫌がってるじゃない、ぴろた」
「だって、すげー可愛いじゃん!」
「そりゃ、愛情たっぷりに育ててるからね。」
「お願い吾郎!!ぴろた頂戴!!」
「やだ!絶対やだ!!」
「頼むから!!」

もう、うるさいな。
本当にうるさい。
もう!!
もう
・・・もう・・・

「あ、ぴろた寝ちゃった」
「・・・・・・木村君、顔、蕩けてるよ。」









2007.9.7UP
Happy birthday Dear Masahiro
こんなに時期はずれな上に、記念作がかけなくて、
これでその代わりにしちゃおうという魂胆です(^^;)
かっこいい中居君も大好きですが、殿下にあしらわれてるぴろたも好きです☆
そして、ついに最後のあの方も登場。
一人、キャラが違ってごめんね。