Review
レビューというよりも、観劇ノートのように感じたままをそのまま綴っています。


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 [10]   祝太刀川瑠璃子バースデー スターダンサーズバレエ
2007年12月1日
ゆうぽうと(東京)
 
バレエ公演にいって、こんなにむなしい思いで帰ってきたことはありません。ジゼルから2週間、どんなにこの日と明日を心の支えに生きてきたことか。明日からの3週間、どうやって暮らせばいいのか。吉田都さんが怪我のため、テューズリーとのロミオとジュリエットが中止。そのため、テューズリーの出演はなし。日本にいるのに、会場にいるのに、元気なのに、彼の踊る姿がみれないなんて。都さんとのパドドゥがだめになったとき、テューズリーがかわりに僕のソロをという申し出があったという小山さんの涙声のコメントを聞いたときは、切なくて、むなしくて。今日は、もうレビューを書かずにいようかとも思いましたが、こんな辛い思いで、くやしい思いでみつめたスタダンの姿を残しておきたいと思います。
 
アレグロヴィーヴォ
小山恵美振り付け
女性ダンサーばかり10人ちょっとくらいが、練習着のような衣装で踊ります。これは、当初発表の演目にはなく、関係者によれば、ロミオとジュリエットのかわりに追加されたそうです。観客をばかにしています。こんな、レッスン場をもってきたみたいな演目のどこがロミジュリのかわりなんでしょう。マクミランをなんだと思っているのでしょう。この時は、まだあまりのショックに心の動揺にもだえていたときなので、冷静にはみられませんでした。が、冷静なときでさえ、こんなまあまあの練習着の女性の群舞、どこがガラの演目なんでしょう。華やかさも面白さもありません。
 
ゼファー
佐々保樹振り付け
黒田美菜子 久保田小百合
福原大介 大野大輔
ピアノ1台の演奏で、男女ペアが黄緑色のやわらかめの衣装で踊ります。振り付けも衣装の生地もソフトでエレガントなラインです。女性は、そこそこの体形なのですけど、男性が日本人特有のずんぐりむっくり顔大きい系なので、これは辛いです。いつもは、普通にみている男性と女性のからむ動作など、本日はものすごく重力を感じました。バレエというのは、つくづく大変なものなのだなあと技術の難しさも感じました。発表会とはいいませんが、こんなこと観客に悟らせてどうするのというような、まあまあのテクニック、ほかに演目なかったのかなと思ってしまいました。
 
陽炎
関直人
小池知子 橋口晋策
本日、唯一、プロの踊りだわと思ったのがこの作品です。海辺の岩場のような影から男性が女性をリフトして登場します。ふたりとも、足首まであるうすいブルーのレオタードです。女性は、日本人らしからぬ小顔で、手足が長く、コンテンポラリーに似つかわしい体形です。男性は、例にもれず、顔大きい、黒髪重い系の日本人体形ですが、動きは悪くありません。女性の動きはしなやかで、男性は、それをサポートすべく重心がしっかりしており、安定感があります。ゆるめのコンテなので、もう少し表現力はほしいところですが、無機質すぎることもなく、規定のレベルには達していたと思います。ガラのコンテなら、このくらいのレベルにはもってきてほしいところです。
 
火の鳥
遠藤善久振り付け
火の鳥 林ゆりえ 王子イワン 新村純一 ツァレブナ姫 松坂理理子 魔王カスチェィ 東英昭
どうやら、スタダン的メインはこの作品のようです。二部全部がこの作品でした。あまりのショックにプログラムのお話も読んでなかったし、火の鳥はベジャールのビデオ以外みたことないのであまり話もしりません。が、だからといって支障はありません。これがまた、まあまあなんですね。王子の外見が小汚いのはもう、日本では常識なんでしょうか。一応、王子なんですから、もうちょっとどうにかなりませんか?体形が体形なので、王子のブーツも軍服もなあ。。。。火の鳥は、最前列でみてはいけませんね。メークがみえすぎて、それでもう集中できません。林ゆりえちゃんの下側のアイラインがくっきりみえて、もうここで興ざめでした。踊りは力強くはありますが、情感うすいです。物語のあるバレエなのに、なんだか思いをいれてみれなくて、どうしてスタダンの人々の力でこのむなしさを払拭してくれないのだろうと悲しくなりました。魔王の手下のコールドのダンスがお粗末で、バレエダンサーが崩しておどる美しさがなく、東宝ミュージカルみたいでした。
 
スターダンサーズバレエって、いつもこの程度で、こんな高いお金をとっているのでしょうか?やっぱり日本のバレエ団には気をつけねば。と、いうことは、牧阿佐美や小林紀子、新国立はまだいいほうなのですね。いろいろ学ぶことが多いです。試練も多いです。しばらくトラウマは続くだろうとお友達にいわれました。
 
 
 
 
update:
2007/12/02



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