2007年12月5日
オーチャードホール(東京)
ライモンダ:田北志のぶ ジャン :セルギイシドルスキー
アブデラフマン : イーゴリ コルプ 白い貴婦人: ユリアトランダシル
そういえば、去年の今日は、マリンスキーの海賊にいったんだわと思いながら、まだまだ癒えぬ心の傷をかかえていたら、お友達のことで悲しいお知らせもあり暗い気分でいたのです。で、お昼の休憩にある方のブログをみたら、コルプの’ライモンダ’のことがのっており、そうだ、バレエの傷はバレエで癒そうと公演予定をチェックしたら、ラッキーにも今日までじゃないですか。オーチャードに聞いたら、当日券もあるし、思い切っていってきました。
コルプは、来年になったら、レニングラードでドンキかラバヤデルカを観ようかなと思っていたのです。なんか、ああゆう濃いキャラがあいそうな気がしたので。そしたら、本日は、もっともっと似つかわしい演目でした。
ライモンダは、9月のロシアガラで、ちょっとだけみた以外はDVD等でもみたことありません。お友達がいうには、あんまりやられることがなく、彼女らは結構バレエをみているけど、新国立でみたことがあるだけでその次がキエフだそうです。新国立のは、テューズリーがアブデラフマンをやったと聞いていたので、今日も脳内変換しようかと思っていたのです。
物語は、中世のハンガリーの伯爵令嬢ライモンダの結婚相手を決めるお話で、ジャンという相手がいながら、突然現れた異邦人アブデラフマンにも心がゆれ、男2人は決闘までするのですが、最後はめでたしジャンと結ばれ、結婚式というバレエらしいお話です。音楽は、バレエらしい曲と、ちょっとエキゾチックな曲とまざりあって、めりはりがありました。舞台装置や衣装もきれいで、やっぱりバレエはこうでなくちゃとちょっとリハビリ気分です。
本日は、主役のフィリピエワが怪我で、日本人の田北さんと交代でした。まあ、交代はいいんですよ、ちゃんと演目やってくれれば。当日券の3階席なので、はっきりお顔はみせません。田北さんのダンスは、とてもきれいで、外人ダンサーにひけをとりません。が、残念ですね。これは、もって生まれたものだと思うけど、華がないんです。ライモンダは、2人の男性に愛される女性ですから、やっぱり人目をひく魅力をまきちらしながら存在してほしいわけです。特に、こういう若い役は、情感とか深みよりも、あふれる初々しさと輝きが大事なので、ちょっとそういうところには欠けていたかなと思いました。田北さんは、通常は白い貴婦人を演じているそうです。逆に、本日白い貴婦人を演じたトランダシルがよかったです。幻想的な雰囲気もよくでていたし、彼女のほうが、舞台では華があるかなと思いました。外人と日本人の違いではないとは思いますが。ぱっとしなかったのが、ジャン役のシドルスキー。ジャンって、本当は、多分すごいかっこいい人が演じる役だと思うのですね。ロシアガラの時の人、すごいかっこよかったもの。これこそ、テューズリーで観たいわと思うような白いタイツ系、パドドゥ満載の役です。ところが、このキエフのジャンは、3階からみても、外見いまいちだし、外見いまいちだと、厳しくなる評価をさしひいても、いまいちなんですよ。田北さんとの踊りこみができてないのか、サポートが悪いのと、全体的にバランス系がぱっとしないんです。二幕後半が踊りまくりなので、ジャンは別の人でまた見直したいわと思ってしまいました。
まあ、そんなこと枝葉末節ですよ。本日、行ってよかったです。ちょっと元気もらいましたよ。コルプのサラセン人、はまりすぎ〜。サラセン人のところって、家来たちの群舞も含めて、曲もエキゾチックなものにかわります。この群舞の振りがまたいいんですよ。一人、ころんじゃったけどね。コルプって、こういう人だったんだ〜。妖しすぎる。美しいとか、かっこいいとかとは、全然違うのですけど、あやしい〜。伯爵家のお嬢さんが、くらっとなっちゃいますよ。すごいしなやかでダイナミックなダンスです。きれいだけど、退屈しそうになるバレエらしい、バレエが続いたあと、二幕のサラセン人とコルプのダンスは、刺激的です。ジャンがあまりにぱっとしないダンサーだったので、ライモンダがアブデラフマンに心ひかれてしまうのはしょうがないわと思えてしまいます。いいね〜、コルプ。ガラで、ジャンとライモンダのパドドゥでなく、アブデラフマンとサラセン人のところだけやってほしいくらいです。と、コルプ絶賛はいいんですけど、さっぱり脳内変換できませんでした。どう考えても、この振りをこの役をテューズリーがやったとは思えません。お友達がいうには、とてもかっこよかったそうです。全く、想像がつきません。
田北さんのほかに、ジャンのお友達役で、日本人の菅野君という男の子がいました。もうひとりの外人の子と結構たくさん踊る役でよくこなしていました。日本人は、顔が大きくて体系的には不利だけど、よくがんばっていたねと思います。群舞の人々は、やはり旧ソ連系のバレエ団らしく、よかったと思います。お友達がいうには、みんななんか癖があるとのことですが、わたしには明確にはわかりませんでした。お友達には、会場で偶然会いました。みんな、スタダン被害者たちですが、わたしよりは、全然元気でした。
思い切って行ってよかったです。お引越ししてから、平日の観劇は遠出になるので避けていたのです。ちょっと、リハビリできました。
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