2005年2月15日 ソワレ
青山劇場(東京)
ヴァルモン:アダムクーパー トゥーヴェル夫人:サラ ウィルドー
メルトイユ夫人:サラバロン ロズモンド夫人:マリリン カッツ
ヴォランジュ夫人:ウェンディウッドブリッジ
セシル:ヘレンディクソン ダンスニー:デーミアン ジャクソン
ジェルクール伯爵:リシャール クルト プレヴァン:サイモンクーパー
今夜は、千秋楽イブです。誰のものでもないわ、わたしの人生は、わたしのもの。と、エリザベートのように胸をはって、自分の求めるものを追い続ける人生を歩みはじめたわたしは、こうしてまた青山劇場の前にいたのでした。
病気でお休みしていたサラウイルドーが復活。やっぱりサラのトゥヴェル夫人はよいです。美しくて、情念に満ちていて、ヴァルモンへの愛を押さえきれず、自分を解放していく様が本日は、特に輝いていました。これは、アダムのせいかもしれないけど。今日の愛のパドドゥは、ここ数日のサラの不在中の寂しさをうめようとするかのように、アダムのヴァルモンも愛する喜びに満ちていました。ナターシャもよかったんだけど、受け止める側の情熱も左右してしまうんでしょうね。映画は、スキャンダルも含めて、ヴァルモンとトゥヴェルが結ばれた喜びは、ヴァルモンが語るのみで、そのすばらしさは観ている側には伝わらず、ふ〜んそうなんだって感じでした。このアダムの危険な関係は、その愛をみつけた喜びがひとつの見せ場になっています。美しさでいうと、この物語中一番かもしれないトゥヴェル夫人とヴァルモンのパドドゥ。泣きたくなるほど、鮮やかで、二人の思いがあふれていて、はじめて観客がヴァルモンの真実の愛の喜びを共有し実感した作品ではないでしょうか。
最近、なれてきたのか、若いふたりダンスニー&セシルのシーンが好きになってきました。デーミアン、よくみるとかわいいし。最終的には、この若い二人もあっという間に大人たちの危険なゲームに組み込まれていくのだけれど、それに向かうまでのあぶなかしいくらいに純粋なダンスがかわいい。出会いの時のハープシコードのまわりでのダンス、夜下着姿であっているのにちっとも先にすすまない初初しいダンス。このままこわさないでやってくださいよとお願いしたくなります。お願いしてるはしから、レイプシーンにつながっちゃうんですけどね。
今日は、わたしの好きなウェンディお母さんでした。ウェンディお母さんは、メリハリがあるので、セシルが甘えっこっぽくて余計かわいいです。本当は、今日はメルトイユ夫人がヨーランダさんで、お母さんがウエンディならいいなと思っていたので、半分願いどおりでした。サラバロンさんのメルトゥイユ夫人は、この人、ヴァルモン好きなのに隠しているんだと思いだしてから、なんだかちょっと同情的にみてしまって、悪いことしても憎めなくなっちゃいました。最後の慟哭は、こっちもいっしょに泣きたくなります。前は、まあ、自業自得でしょうと思っていたのだけれど。ヴァルモンに恋するもの同志、妙に共感してしまったわけです。
いよいよ、あしたは東京千秋楽です。あしたのダンスニーは、デーミアンだって、よかった。と、いいつつ、ダニエルの未熟なダンスニーがもう見れないというのも寂しいです。あんなにチケット買ったのに、まだまだ観たりない気分、いつまでもこんな日々が続けばよかったのに。
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