2004年12月27日 ソワレ
Theater and der Wein(ウイーン)
エリザベート : Maya Hakvoort トート :Steven Seale ルドルフ:Fritz Schmid
ルケーニ:Serkan Kaya フランツヨーゼフ:Andre Bauer
ゾフィー :Else Ludwig 幼年ルドルフ:Samulel Vellissaris
さあ、今日もMateの世界に毒されてくるぞ。身体に悪いとしりながら、つい手をだしたくなるジャンクフードのような男。最後の夜にふさわしい、激しいMateワールドをみせてよね!
と、思ったら、3日目はMateじゃなかった。もともと3日もチケットをとったのは、セカンドやサードの違うキャストでも観てみたかったから。まあ、そういう面からすると主旨にはかなっているだけど。エリザベートとルキーニは、3日とも、ファーストの方だ。これは、嬉しいですね。ここまでよいものをみせていただいて、最終日にがっくりはいやですから。ゾフィーは、本日がファーストの人みたい。この方は、初風淳さんの系統のおばあさん皇太后です。じゃあ、今日こそ、ルドルフのファースト、ルーカスでてくれるかしらと思ったら、こっちはまたフリッツだ。はあ、フリッツ。いいけどさ。ルーカスのほうが、パンフでみてもかわいかったから、これはちょっと心残りです。
この日は、2階の2列目。2階から、あの激しく稼動する舞台をみてみたかったのですが、2列目は失敗でした。最前列は、パンフがおけるほどの手すりが前にあり、そこに前のめりになってみる外人のでっかいおじさんが前にきたら、大邪魔です。まさにそれを体験させられました。2列目ならいいやという軽い気持ちではだめでしたね。今度からは、2階なら最前列です。
さて、で、Stevenって、どんな人よ。(と、ちょっとけんか腰)。パンフもみずに、あの髪の黒い人かしら?と思いながら、トート登場。あれ、金髪じゃん。Mateのようにあみこみは、しておらず少し長めの髪をナチュラルにおろしている。腰まわりもムチムチしてない。わりと真っ当かも?2階からオペラグラスをかまえたけど、顔の細かいパーツまでは確認できない。だけど、見た目でいうと、こっちのほうが、正当派じゃないですか?解説の美しい青年という面では、日本人の持つイメージには近いかも。
声の質は、Mateと同じで、あのしつこさがなくなった感じ。エリザベートの最初の赤ちゃんがなくなったときに歌う’闇が広がる’が、この方もよかったです。アメリカ人とのことですが、ドイツ語も悪くなかったと思うよ。で、どうなっちゃうんだろうと思っていた’最後のダンス’。ほお、これも真っ当ですね。Mateと同じように、走ったり、飛んだりはしますが、あのめちゃくちゃ感はありません。ふーん、普通です。わたしが、もっとも好きな’私が踊る時’。エリザベートと自己主張のぶつかりあい、力技のためしあい。負けるな、Steven!それなりにがんばっていました。が、やっぱりシシイお姉さんのほうが強いかな。そして、ルドルフとのデュエット、’闇が広がる’。ウイーンにきて、はじめて日本で感じたような青年の日の切ない情熱のようなものを感じました。あいかわらず、苦悩だらけのルドルフですが、Mateみたいにめちゃくちゃふりまわしたりしない分、感情のぶつかりあいみたいな部分が表現できていたのでしょう。最後に命をおとしたエリザベートを抱きしめ、くちづけをかわすシーン。こちらは、Mateより堂々としてました。たぶん、役者さんの解釈の違いだと思いますが。そんなこんなで、Steven,悪くなかったです。おとなしい日本のバージョンを堪能した方には、これくらいのトートも観ておかないと、あまりにウイーン版は強烈すぎますからね。これなら、あの髪が黒いトートもみてみたかったなと思ったりもします。
3日連続でみたら、あきてしまうのではないかしらと、当初の心配などどこへやら、毎日新鮮な3日間でした。ウイーン版が、こんなにエンターテイメントにつくってあるとは思わなかった。ウエストエンドのショービジネスにも負けてないんじゃないでしょうか?どうして、ウエストエンドやブロードウエイは、この上演権買わないんでしょうか?あと、日本のトートは、どうしてもっと若い人がやらないんでしょうか?もっと、はじけたエリザベートを日本でも観てみたい。いやあ、ほんと、おもしろかったです、エリザベート。こういう感想になるとは思ってもみませんでしたが。
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