Review
レビューというよりも、観劇ノートのように感じたままをそのまま綴っています。


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 [125]   レミゼラブルインコンサート(4)
2004年12月9日
川崎ミューザ(川崎)
ジャンバルジャン:別所哲也 ジャベール:岡幸二郎 フォンティーヌ:マルシア
エポニーヌ:坂本真綾 コゼット:河野由佳 マリウス:戸井勝海 
アンジュルラス:坂元健児  ティナルディエ夫婦:瀬戸内美八 駒田一
 
今年のマイラストレミコンは、川崎ミューザです。ここは、今年新しくできた音楽専門ホールで、美しくおしゃれです。床は木です。座席は、ステージを囲んで360度あり、らせん階段のように一定ではありません。レミコンは、ビジュアル的にもみせるので、本日はステージにむかって半分を客席に使用、残りの半分の半分に一般人参加のコーラス隊がいました。わたしは、右側のかなりサイドの席。はじめて、正面でないレミコンでしたが、役者さんたちの細かい表情や演技はよくみえました。オペラグラスをかまえると、メイクした顔がくっきりみえました。つばがとぶほどのロンドンの最前列は、役者さんのメイクの濃さは感じなかったけど、日本人が外人やるってことは、こんなに濃いのねーと気づきました。椅子のしたには、マイドリンクを用意しいるらしく、暗いときは水分補給してました。そういえば、石井さんは、ペットボトルのお水でしたが、岡さんは、ステンレス製のマグかポットのようなものでした。
本日は、パイプ椅子でなく、木の椅子に役者さんたちは腰掛けており、スペースもあいているせいで、皆さん、とても姿勢よくすわっており、いつもより大変そうでした。
音楽専門ホールというからには、サウンド面はかなり期待していたにもかかわらず、4回のレミコン中、一番オーケストラと歌い手の音量のバランスが悪く、残念としかいいようがありません。オーケストラの音が大きすぎて、歌い手さんの歌が小さく聞こえ、迫力に欠けるのです。どの歌い手さんも、歌いだしが小さく、あれっ?と気づいて、声量あげるという感じ。
 
本日初の別所バルジャン。オーケストラとの音のバランスのせいもあるけど、歌で、じ〜んというところはなし。ふりかえってみると、一番バルジャンらしくみえない人でした。。演技は細かいけど、バルジャンは歌で勝負せねばね。歌も下手じゃないんだけど、ミュージカル専門のバルジャンたちに比べると、深みに欠けるというか。別所って、何をやっても別所。そういえば、ミスサイゴンのエンジニアも別所は、別所だったな。
岡幸二郎氏のジャベールは、やはり前回同様、きれいすぎ。ジャベールは、監獄で生まれて、執念をもって正義を信じる人なのに、岡氏のジャベールって、いいとこの子が何不自由なく育って、疑いもしらず警官になったみたい。アンジョルラスが死なないで、警官になったらこんな感じ?まあ、岡さん、元アンジョルラスなんですが。背が高いので、制服姿もかっこいいし、スパイになってバリケードにもぐりこむ時の、トリコロールを腰にまいた姿なんか絵になります。マッカーシーおじさんは、どうみても、おじさんにこの格好はねーと思うようなアンバランスが、また現実味があったんだけど。歌は、悪くないんですが、何しろ育ちがいいので、執念こめるべき’Star'や’自殺’が弱いです。’自殺’は、どっちかというと、これが正義と信じてきたのに、なんで、なんでなんだようと初めて挫折を知った青年のようでした。この方、今度の本公演、記念公演の部では、アンジョルラス再演するらしく、そっちが楽しみだったりする。
フォンティーヌ、マルシアは前回同様よかったです。日本では、フォンティーヌは儚いと決め付けている人が多いですが、原作やロンドンの島田歌穂のような力強いフォンティーヌが好きです。マルシアは、そういう芯の強さがあり、歌も力強いし、なかなか演歌で鍛えただけのことはあるなと思います。
エポニーヌは、どうも本田美奈子さんをみたせいか、どの人も印象うすく、あまり記憶にありません。ANZAさんにしても、この坂本さんいしても、本当にマリウスのこと好きなのかなあ?と思ってしまい、恵みの雨の切なさがいまひとつなんですね。
今回嬉しかったのは、駒田一さん。この人は、うまいです。歌も、盛り上げるのも。出てくると華があります。だけど、あまりに皆が好感もっちゃって、原作の根っから悪党のティナルディエとはちょっと違いますね。ま、でも、本公演みるなら、駒田さんで見たいものです。
そして、慣れてきたせいか、戸井勝海さんのマリウス好きかも。ジョンリー君があまりに瑞々しく、愛おしい少年のようなマリウスだったので、マリウスってのはこうあるべきみたいなのが自分の中でできていた。で、まあ、どの人も、う〜んだめ、だめ、だめという感じでした。が、戸井さんの普通の青年マリウスもなかなかよいかも。ジョン君ほどじゃないにしろ、しつこくないのがよいです。あと、このマリウスは、エポにもコゼットにもとってもやさしいのだ。この人は、背が高いんですが、恵みの雨でも、最後にジャンバルジャンが死ぬ前にコゼットに寄り添うときも、膝を低くおって女性のマイクの高さで歌っており、しっかり女性を抱いて支えているのです。この方が若い時に本公演で観たかった。もう、今年のレミコンが終わったら、マリウスやることはないんだろうな。残念です。
坂本アンジョ&河野コゼについては、コメントなし。まあ、本公演がんばってくれ。
 
そういえば、ずーと書こう、書こうと思っていたこと。あの小さい大人の女の人がガブロッシュやるのは、どうかな。リトルコゼットはちゃんと子供なのに。ルドルフだって、サイゴンのちびっ子だって、本当の子供なのに。本公演は、本当の子供使ってください。歌、はずしてもいいから、本当の子にしてください。(ロンドンの少年、はずした子がひとりいました)
 
本日は、市原とちがって満員の大盛り上がりでした。レミコンは、こうでなくちゃね。地方公演は、あなたの街にレミコンをという主旨らしいけど、結局、コアなレミゼファンが遠征している率が高いんじゃないでしょうか。それなら、このように交通のよい場所で、たくさんやったほうがよいと思う。レミコンは、お祭りだから、また、本公演終わったら、旧キャストも混ぜて再演してほしい。そしたら、また、なつかしい人のエポニーヌやマリウスがみれるかも。
なかなか、飽きることのない作品です。
おしまい
 
 
 
 
 
 
 
update:
2004/12/10



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