2004年7月7日
東京芸術劇場(東京)
ジャンバルジャン:石井一孝 ジャベール:岡幸二郎
フォンティーヌ:井料瑠美 エポニーヌ:ANZA
コゼット:剱持たまき マリウス:岡田浩暉 アンジュルラス:留守晃 ティナルディエ夫婦:峰さおり 駒田一
ロンドンで見て以来すっかりはまってしまい、ヤフオクでチケット落としてしまいました。レミゼラブルは、なんといっても歌がよいので、とにかく、また生で聞きたかったのです。
まず、いきなりですが、音響悪いです。 レミゼといえば、あの始まりの音楽でいきなり、おっいいじゃんという胸にせまる曲ですよね。割れてました、芸術劇場中ホール。オーケストラは、舞台上で、その前に椅子がならんでて、出演者が舞台衣装きて待っており、自分の番がきたら歌います。後ろにスクリーンがあり、地名や年号、補足のあらすじや、舞台写真がうつり、時々歌い手もうつります。このコンサートは、お目当ての役者のルックスが好きというのでなければ、前でなくてもオペラグラスなくてもOK。
まずは、ジャンバルジャン、石井さんね。彼は舞台はみたことないですが、録音版でマリウスやってたので声は知っていました。歌は悪くないですが、ちょっとつくりすぎかも。あと、若すぎるのかもしれませんね。ジャンバルジャンは、50歳過ぎですから。'Bring him home'は、聞かせてくれましたが、あのロンドンで聞いたジャンバルジャンの心がすすり泣くような祈りの深さは感じられませんでした。まあ、これは、金髪さらっさらっで眠るジョンリー君を見つめながら、その愛おしさにあふれて歌うという場面がぬけているせいもありますが。
岡ジャベールは、きれいすぎ。この人は、むかしアンジョルラスやってたんでしたっけ?日本はなぜか、ジャベールは、この系統の人がやるんでしょうか?原作のジャベールは貧しい生まれで、もっと粗野な人だと思うし、ロンドン版のおデブの貫禄おじさんを思うと、スマートにまとまりすぎてるのですねー。この方も歌は悪くないです。が、わたしには、録音版村井ジャベールのこれぞジャベールというロンドンのおデブおじさんに負けないくらいの迫力がイメージ強く、岡さん負けてます。アンジョルラスで観たほうがよかったです。また、ヤフオク落とすか。
まとめてしまうと、女性陣フォンティーヌ、エポニーヌ、コゼットは、全部バツ。 ま、コゼットはどうこういうことないですね、たいしたところないし、誰がやってもつまんない女なので。フォンティーヌは最悪だった。声でてません。でも、歌そのものがいいので、ちょっとうるうるしてしまいましたが。ロンドン版島田かほは、うまかったので、よけいだめだめでした。エポニーヌもねー、歌唱力ないのに、大きな声で歌いすぎて、なんかちょっとひいちゃいました。今日は、セットがないし、お話はしょっちゃっているので、エポニーヌの悲しい恋があんまりかわいそうにもりあがらないまま、’Littel Fall rain'になってしまい、感情移入できなかったです。
以外によかったというか、一番よかったのが、ティナルディエ夫妻。歌うまいんですねー。お客さんも自然とのってました。こういうわきの方々が、しっかりしているとしまります。
で、マリウスとアンジョルラスね。岡田君も、まあ、可もなく不可もなく。もっと、さらっとしててもよかったわ。特にコゼットに打ち明けるときとか。ロンドンオリジナルキャストのマイケルボールみたいにしつこくはないけどね。もっと、明るくて元気なマリウスを期待していたので、ちょっと意外でした。やっぱり、ジョンリー君のうす味だけど、しっかりだしのきいた京会席みたいなマリウスはなかなかいないということね。留守晃氏のアンジョルラスは、歌は悪くないですが、わたしがロンドンで観たアンジョルラスは美形だったのよねー。だから、なんかなー、お楽しみがひとつ減った気分。あと、この二人のお洋服が、もう少しかわいくてもよかったのではないかと思います。マリウスは、髪結わえてほしいし。 あと、歌詞がねー。訳詞だから仕方ないところもあるでしょうが、特’Empty chair and Empty table'が、がっくりきちゃいますね。この歌、もっとも好きで、エリザでいうなら、’闇が広がる’に相当する場面なのです、わたし的には。’からの椅子とテーブル’というなんか字あまりなところ、悲しみ大盛り上がりのときに、がくっと脱力してしまいそうな歌詞です。それに、マリウス君のイメージにしては、物言いが堅い感じがします。これは、’Drink with me'のところも同じ。日本語のほうは、うろ覚えだけど、’今はむなしいだけ’みたいなところ、英語では’Life without Cosette means nothing at all'だったと思うんですが、’コゼットのいない人生なんて、何もないってことじゃないか’というぼんぼんな学生らしさがかわいいのに。
と、いうわけで、全体的には、んーこんなもん?ですね。コンサートなので、セットや演技の間がないから、盛り上がりに欠けちゃうのは否めないけど、歌い手のレベルが低いです。レミコンは、レミゼが大好きな人たちのお祭りだから、好きな俳優の歌を聞きに行くということなのかもしれないけど、それなら、もっとオールスターみたいにレベルの低い人ははずすとかにしてほしかったです。
用語解説
ヤフオク:Yahooオークションの略。インターネットYahooが主催するオークション。
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