3月30日 2004年
帝国劇場
山口祐一郎、浦井健治、
4月18日 2004年
帝国劇場
内野聖陽、浦井健治
3月にレビューしてなかったので、メモ程度に。
山口祐一郎の歌はすごいと聞いていただけあって、すごかった。
オペラみたい。オリジナルのウイーンバージョンがロック系の現代風なのとは一味もふた味も違います。内野は、よくWキャストを引き受けたものです。が、山口さん、踊らない、演技しない、歌うだけ。でも、歌うだけでこれだけ人を呼ぶ、すごい人だ。
初演と次にルドルフを演じた井上芳雄君は、芸大出のすばらしい歌を歌う伝説の皇太子といわれていたらしいけど、この日の浦井君もよかった。山口さんに負けないというより、よき相乗効果を生んで、線の細さが目立つ彼だけど、山口さんの力にのって、迫力の’闇が広がる’でした。やっぱり、ルドルフはもう、浦井君しかみれない。
4月18日。
5月にも2枚とったし、絶対に4月はもう行かないと決めていたけど、禁断症状が。ウイーンのオリジナル版を聞けば聞くほど、宝塚のビデオをみればみるほど、エリザへの思いがつのるのです。これは、音楽の魔法だと思う。ウイーンオリジナルを観たい!
今年の年末は危ない。
そんなこんなで、日曜日の朝、海外旅行でもないのにこんな早起きしたのは初めてだ。帝劇の抽選に並んで、当日券ゲットです。
今日は、ひさしぶりの河村隆一じゃなかった内野です。どうしても、ところどころに河村がかもし出されて、笑いそうになるのをこられてしまった。顔とかはかっこいいのに。しかし、山口を聞いた後のせいか、今日は調子悪いのか、声出てません。音外れてます。歌聞くためにきたのに。闇が広がる、いまひとつ、迫力に欠けます。浦井君のひたむきさとかみあってなかったな。
一路さんは、あいかわらず美しいです。歌も美しいです。宝塚のトート閣下も素敵だったけど、わたしは、エリザベート皇后の一路さんのほうが好き。わたしは、わたしだけのものを聞くと、いつもぐっときてしまいます。今日は、フランツヨーゼフ閣下の鈴木さんとの夜のボートもよかったです。
そして、浦井君。3度目ですね。落ち着いてきたかも。落ち着いてきたのは、わたしのほうか。ルドルフがなくなったときは、30歳くらいのはずなのに、彼はやっぱり20歳くらいにしかみえません。演出なのか、彼がまだ演じきれてないのか、あまりに純粋でこわれそうなルドルフ。本当のルドルフは、酒場で遊んだり、娼婦を引き入れたり、最後は若い少女と心中しちゃうような遊び人だったのに。ルドルフというだけでなく、浦井健治の繊細さが舞台に出てしまっているのかもしれない。
本日、素の浦井君に遭遇。
顔ちっちゃくて、背高くて、細くって、控えめでめっちゃかわいい。髪がさらさらで、静かに控えめに話す辛抱強い姿は、お姉さんたちの心につきささりました。普段がこんななら、舞台の熱唱は彼の別の面なのだと実感。あんなに静かに真摯に声をかけれるのは、演技じゃできないと思うのは、だまされすぎ?それとも、本当にあんなに純粋な人なのかしら?彼にいってあげたいと思っていた。あなたにとって、この公演は3ヶ月と長くて、昨日も今日もだけれど、お客にとっては一生に一度だけかもしれない。その日だけが、真実なのです。だから、どんなに中だるみしても、疲れても、そのことを忘れずに舞台にたってほしい。わたしだって、2回目からは、一幕に登場する君の姿を確認して、今日も元気で舞台にたってくれてありがとうっと思う。せっかくとれた日に病気や怪我で別の人だったら、観にきた意味が半減するもの。でも、そんなことをいうまでもなく、あなたは、あなたを支えようとしている人々の心を受けとめて、答えようとしていることを今日、強く感じました。このガラスの繊細さと純粋さをいつまでも持ち続けてほしい。それがどんなに難しいことかはわかっているけれど。来年、再来年、もしかしたらまた、ルドルフでもどってくるかもしれない。その時に、今日のようなピュアな君をまた、見せてくれますか?このまま、箱にしまって封印してしまいたいような、そんな青年でした。かわいい、かわいすぎ。閉じ込めてしまいたいけれど、あなたの成長も楽しみです。どんな道を歩んでいくのかしら。ルドルフをあと、10年、そのあとは、フランツヨーゼフを演じてほしい。いつか、トートでみれる日がくるかしら。
浦井君、あなたに会えてよかった。
最初の公演がパクじゃなかったのは、運命かもね。
まだまだ、長い公演は続くけれど、健康に気をつけて、今の気持ちのままで、ガラスのルドルフを見せてください。(本当のルドは違うんだけど)
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