2007年6月30日 ソワレ
帝国劇場(東京)
ジャンバルジャン:今井清隆 ジャベール:石川禅
フォンティーヌ:シルビアグラブ エポニーヌ:知念理奈
コゼット:辛島小恵 マリウス:山崎育三郎 アンジュルラス:岸祐二ティナルディエ夫婦:駒田一 森公美子
今月は、レミゼ月間ですので、月末のウィークエンドは、当然レミゼでございます。本日のチケットは、一番最初に保険的にVISAカードでおさえたものです。今井さんと禅さんは、何があってもはずせないでしょう。何かの都合で、レミゼが観れないことがあったとしても、最低1回は後悔のないようおさえておかねばと思っていたのです。と、いいながら、早くも3回目ですし、今日は、8月のチケット引き取ってきて、保険も何もないだろう状態なのですけど。
本日は、今井さん、禅さんの歌の人に加え、駒田さんとかシルビアとかもいて、歌唱力のレベルは結構高かったです。これは、要所、要所がきちんとできている感じがして、これはなかなかよいすべりだしだわと前半思っていたのです。が、1幕後半、やっぱり日本のレミゼは、これだからだめなんだよねと思ったのが、マリウス&アンジョルラス。ここがだめなのは、もういやというほど経験ずみで、このごろはなれてきたな〜と思っていたのですけど、今日は、またつくづくだめでした。山崎君、やっぱりわかってないみたい。この子って歌は決して下手ではないけど、わかってないんですよね。役を全然理解してないみたい。何がわかってないって、歌のテンションがず〜といっしょなのです。Empty Chire at empty tablesの悲愴な調子で、コゼットと出合って恋に落ちて、もりあがって、エポニーヌの死をみとって、バリケードでやけになって、生き残っておちこんで、結婚式して、ジャンバルジャンに感謝するのが、ず〜と、ず〜と同じ調子。誰かはっきりいってやればいいのに。あいかわらず、結んだ髪も小汚い感じだし。岸祐二氏のアンジョルラスは、もうカリスマ度0。この人、アンサンブルからこれに抜擢されたのが、2シーズンくらい前でしたっけ?あの時は、まあ、最初だからしょうがないかもと思ったけど、最初から光らない人は、いつまでも光らないもんです。歌も平凡だし。この人の場合も、選んだ人が悪い。この人には、この役は荷が重すぎ。ロンドンでは、マリウス&アンジョルラスのシーンが何よりも好きだったのに、本日は、一番盛り上がりにかけており、わたしの中でレミゼもずいぶん変化したものだと思ったのでした。どうにか、ならんのだろうか、日本のマリウス、アンジョルラス。
上記をのぞいては、本日は、とても安定していてよきグレードでした。今期は、なかなかよいですよ、レミゼ。特に駒田さん、やぱりうまいです。この人は、細かい小手先の演技はしないのですね。テナルディエって、好き放題に悪いことをする人というイメージなので、この役を演じる人は、ちょこちょこオリジナルな演技をいれます。まあ、それはそれでよいのでしょうけど、時にみていて愉快でない場面もあります。が、駒田さんの場合は、歌の途中で、ぽんとつったっているだけでも、十分にティナルディエです。歌がとてもしっかりしており、それはセリフのように(まああたりまえかもしれないが)ティナルディエから一瞬たりとも離れません。あくの強い役者を並べるだけでなく、実力のある役者さんがこのような役を守ってくれると作品のグレードがあがると思います。
エポニーヌ&フォンティーヌも、すごいよいほどではありませんでしたが、なかなかよいレベルでした。日本のフォンティーヌは、はずすと、ものすごいはずれにあたりますからね。シルビアは、歌がちゃんとしているし、ちょっと気の強い感じが個人的な好みとして好きです。今期の新人フォンティーヌはひどいらしいので、今日はシルビアでよかったです。知念理奈は、まあ前回みたときの印象とかわりなく、コゼットの時よりよいです。歌もうまくなってきたしね。マリウスがぱっとしないので、エポニーヌの切なさが切実に感じられないのは残念。泉見君だとよかったのにね。
主役のお2人は、もう期待どおりでございます。日本にだって、これだけ歌えるバルジャンとジャベールがいるのよと、海外の人に教えてあげたいくらいです。本日も橋本さんの時と同様、バリケードでバルジャンがジャベールを逃がすシーンがよかったです。ここの禅さん、独特の表現なんですね。こういうジャベールはいませんね。ジョンオーエンジョーンズと共演してほしいくらい。ジョンオーエンジョーンズって、このシーン結構あらっぽくて怒ったようにジャベールを逃がすのです。禅さんジャベールは、悟りきったような今井さんバルジャンに比べ、動揺とか人間的な面がよくでています。ジョンオーエンジョーンズのあらあらしさと、動揺するジャベール、これはない組み合わせじゃないでしょうか。観てみたいです。いうまでもなく、’Stars'および’自殺’は、もう絶品。早く禅さん版のレミゼCDだしてもらいたいです。橋本さんとの組みあわせがいいと思ったけど、今井さんとも捨てがたいわと思った本日の公演でした。
7月は、スペシャルキャストは島田歌穂さんと禅さんのエポニーヌ&マリウスです。当然、チケットは購入しておりましたが、わけあって手放しました。と、いうわけで、次回はもう夏の終わりの8月の予定です。
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