2007年6月10日 ソワレ
帝国劇場(東京)
ジャンバルジャン:今井清隆 ジャベール:鹿賀丈史
フォンティーヌ:岩崎宏美 エポニーヌ:知念理奈
コゼット:菊池美香 マリウス:泉見洋平 アンジュルラス:岡幸二郎
ティナルディエ夫婦:阿知波悟美 斉藤晴彦
レミゼの季節ですね〜。ほんとういうと、ジョンリー君がいるあいだにロンドンでもう1回みたかったけど、今月末には交代です。そうしているまに日本では今年度20周年記念、東京3ヶ月公演幕開けです。今回は、会社の子が前回2000回キャストの時家庭の事情でみられなくなり、そのキャストでみたいといっていたので、わたしはまあどっちでもよかったのですけど、今回のをVISAカードでとりました。激戦でしたけど、A席の一番前ど真ん中VISA, Good jobでした。
今回は、演出とか歌とかがちょこちょこかわっており、なんといっても、アンサンブルさんたち総入れ替えとなっていました。まあ、これについては、現状、成功とはいえません。アンサンブルの人々は、きっと回を重ねるごとに成長していくのでしょう。まだ3日めですからしょうがないのかな。全体的に声量がなくて、歌の迫力が大減退しており、これは非常に残念です。通常は、あんまりアンサンブルがどうのこうのとは思いませんが、レミゼは、結構重要な役どころやるじゃないですか。司教様は、まあよかったです。だめなのが、工場長、バベ、グランテール、クールフェラック。特に工場長とグランテールは、もうちょっとどうにかならなかったんでしょうか。こればっかりは、8月後半まで待つしかないのか?でも、6月でわたしとしてはおしまいなのですよ。
それと、だめだったのが、コゼット。今年は、傾向かえたのか、美人のコゼットはいませんね。それなら、歌で勝負してもらいたかったけど、歌もだめだったし、演技もだめでした。わたし的には、コゼットはどうでもいい役なんですけど、最後の’生きて、パパ、生きるの’のところで涙じわっとこなかった珍しいコゼットでした。
と、だめなのは、以上であとは、非常によいグレードであったと思います。いきなり、このキャストでは、あとが大変かも。鹿賀さん、よいです。ジキルよりいいです。この人は、決して歌がうまいとか、演技がぐっとくるとかじゃないのですけど、一定の安定した存在感と役になりきったひとつひとつ、長い舞台の中で、途切れることのない緊張感とパワーです。これは、オーラを放っているといってもよいくらい。まわりのかかわる人々にも伝染するようです。ジャベールにかかわる人々の演技が光ってくるのです。2005年に記念キャストでみたとき、もう観れないだろうなと思っていたので、今回またそのオーラに触れて嬉しかったです。
今井さんは、いうまでもなく一番好きなバルジャンですので、安心して鹿賀さんとのやりとりをみていられました。ちょっとだけ気になったのは、鹿賀さんがいるせいか、ちょっとつくりすぎかな?と思う部分が見受けられたこと。フォンティーヌの死の床の傍らでジャベールと対決するところと、’彼を帰してのところ’。もう少しナチュラルに表現してもよかったのではと思いました。まあ、それはとても細かいことです。わたしにとっては、ジョンオーエンジョーンズより、今井さんなのです。サイモンボーマンの次だけどね。
前回に引き続き、岩崎宏美の歌は残念かなと思いましたが、それは期待しすぎのせいだといわれました。この人なら、これくらいは歌えるだろうと思われてしまうようです。そういわれると、後半、最後の場面の歌はたしかによかったです。
同行した会社の同僚は、実は、このように歌だけのミュージカルは苦手だと結論付けていました。たしかにレミゼはおもしろいけど、ミュージカルはだめかも。。。と。その彼女が唯一お気に入りだったのは、岡さんのアンジョルラス。わたしは、前回みましたので、それほどでもなかったのですけど、岡さんのアンジョルラスは見た目がよいのですね。顔が美形とかじゃなく、背が高く、歌がうまいので、カリスマ的な青年革命家が実に似つかわしい。わたしにとって、これなら許せると思ったアンジョルラスです。何度も何度も日本のアンジョルラスには失望させられましたから。でもね、、、岡さんもやっぱりもう御年だと思う。アンジョルラスは、今年が最後だろうな、記念といえども。彼ほどに、銃をかまえて赤いベストの似合うアンジョルラスの新しい出現をひたすら望んでいます。
泉見くん、濃いです。あいかわらず。この人は、遠めにみるより近くでみたほうがこの濃さが気にならない人なので、今日の席だとだめなのよね。あんまり濃すぎるとコゼットへの愛がわざとらしくみえてしまい、今日はコゼットもかわいくないせいで、エポニーヌだけでなく、コゼットもそれほど愛されてないように見えました。気をつけましょう。
意外とよかったのが、知念エポ。彼女にははっきりあまり期待してなかったのです。ジキルの時のエマも、コゼットもよくなかったので。が、エポニーヌはよいです。とてもすれっからしな感じが、いやな感じでなく表現できており、貧しい娘が身分違いの学生に恋する自然な心がよくでてました。ただ、あまり切なさはないのです。そういえば、原作のエポニーヌも、かわいそうなんだけど、思いがつのるような切なさでなく、身分違いも含めてかなわない恋の無知な哀しさみたいなものがあり、これもひとつの解釈だなと思いました。この調子で、がんばってねという感じ。
ティナルディエ夫人の阿知波さんも新しいタイプのティナルディエ夫人でよかったです。わざとらしくないのがよいです。この方、エンターテイナーだなと思ったのが、カーテンコールの時、一人一歩後ろの人がいない列にさがって、ちょっとダンスをするようなポーズをとって挨拶しており、2階席からだととても鮮明にみえてよかったです。ですぎず、ご自分を主張するところなどプロだなと思います。
まあ、そういうわけで、よき出だしでした。プログラムは、今回赤版と青版があり、青版が20周年記念だとか。で、赤いほうくださいというと、えって顔されました。今日いった人で、こっちだけ買う人はあまりいないみたい。青版サンプルみると、出演者が落書きみたいなコメントを1ページ筒くらい使っており、今回グレードの低いアンサンブルの人々などもたくさんページを割いていたので、ちょっとわたしの主義には反するわと思い買うのはやめたのでした。で、お次は今週木曜日。実は一番楽しみな組み合わせです。
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