Review
レビューというよりも、観劇ノートのように感じたままをそのまま綴っています。


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 [34]   コッペリア 新国立バレエ
2007年5月13日
新国立劇場(東京)
スワニルダ: ルシア・ラカッラ  フランツ: シリル・ピエール
コッペリウス: ルイジ・ボニーノ
 
お友達が、旅行の予定がはいったとのことで、急遽チケットを譲ってくれました。コッペリアは知っていますが、ビデオでもみたことはありません。主演のルシアラッカラも名前は知っているけど、はじめてです。ミュウヘンバレエの人と聞いて、’リスカは、こないの?’とか叶わぬばかな質問をしてしまったわたしです。プティの作品で、おまけにルシアラッカラは客演なのですから、イヴァンリスカがくるわけありません。椿姫のアルマンがあまりに素敵だったので、どうしているのかしらと思ったら、ミュウヘンバレエの芸術監督とのことでしたので、ミュウヘンつながりというだけではかない望みを抱いたまでです。
 
前おきはよしとして、とてもかわいくて、楽しい作品でした。プティらしいですね〜。そういえば、1年前ここで、プティの’こうもり’みたのでした。プティの作品の女性は、女性というより女の子の部分を残しており、キュートということばがぴったり。今回のルシア演じるスワニルダとその友達も、10代の少女のように陽気で、キャぴキャぴしていて(これは死語?)、動きの一つ一つが女の子なんです。ルシアラッカラは、その先頭にいて、恋する乙女の役を演じていました。二幕のコッペリウス博士の家にしのびこんで人形をみつけるまでにびくびく大騒ぎするところや、その後人形のふりをして踊るところがとてもかわいかったです。
 
スワニルダが恋するフランツは、いい役なんですよ。まあ、恋される青年ですから、当然かっこいい役ですしね。ダンスの部分も見せ場多いです。で、このダンサー、ルシアの旦那さんなんだそうです。まあ、パートナーシップはいいんでしょうけどね。だけど、もうちょっと、ぴしっと踊ってほしいなあ。それに若さもほしいし。演技はコミカルでよいのですけどね。結構目立つ役だけに、もっと素敵な踊りのうまいダンサーにやってほしかったです。しかしながら、同行した方々によると、いつもルシアのサポートばっかりでさえなくて、今日、はじめて踊りもちゃんとできるんだと思ったそうです。奥さんは才能あるけど、旦那は平凡って感じでした。
 
コッペリウス博士のルイジボニーノさんは、ほんとは、去年こうもりでみれるはずだったのに、怪我で違う人だったのです。コミカルに小粋なダンスで、楽しいコッペリウス博士でした。特に、自分のつくった人形とダンスをして、ディナーをとるところはお見事。
 
新国立劇場って、雰囲気がすごくよいですね。建物もきれいだし、座席もみやすいし、なんといっても、お上品。幕間にシュークリームのお菓子とか売っています。日のよくあたるロビーから、外でもお茶がいただけるようにテーブルや椅子もあって中庭がみえるし。楽しい舞台の幕間に、新鮮な明るい雰囲気で余韻を楽しめます。劇場は、このようであってほしい見本です。ちょっと、交通の便がいまいちをのぞけば一番好きな劇場です。
 
日曜日の午後、すてきな劇場で、小粋なプティの作品、優雅な休日でした。
 
 
update:
2007/08/25



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