2007年1月6日 マチネ
新宿コマ劇場(東京)
Sylvester Levay、Maya Halvoort、Mate Karamaras、Lukas Perman
美々杏里、稔幸、紫吹淳、彩輝なお
2007年シアターライフの幕開けは、華やかにウィーン版エリザベートの主要メンバーのコンサートです。なんと、豪華なメンバーでしょう。なのに、いったい何故この場所なんでしょう?新宿コマといえば、演歌の歌謡ショーの殿堂じゃありませんか。一歩外に出れば、歌舞伎町のごみごみした町並み。あ〜ん、マヤさん、こんなところにきていただいて申し訳ない。ウィーンのオペラハウスのような上品な劇場から、このすばらしいミュージカルをもってきていただいているというのに。ロビーには、のり巻き、肉まん、コマの刺繍入りトートバッグなど、帝劇も顔負けの観光おみやげいっぱいです。
これは、2部構成になっており、1部は映像まじりのトークショー。ゲストは宝塚のOGの人々です。今回、どういうわけか、宝塚の人々が第2部のコンサートにも登場します。これは、宝塚版のお金を惜しまぬ厚い客層ならいなのでしょうが、ウィーン版ファンとしては、余計で余分で、結構迷惑でございました、ファンの方にはごめんなさいですけど。トークショーは、ファン的には嬉しいけど、大阪公演から毎回やっているかと思うとウィーンの方々には申し訳ない感じ。東京大阪、1回づつくらいでよかったんじゃないでしょうかね。宝塚なしで。なんとなく、大阪で話題尽きて東京はあんまり新鮮な話題がなさそうな感じがしました。まあ、それでも、本日初のわたしとしては、なかなか楽しかったですけど。意外だったのは、Mateの口調が、とてもおだやかで丁寧そうだったことです。(ドイツ語わからないので、雰囲気だけですけど)。もっと、はじけた感じの人かと思ってました。
今回のメインは、なんといっても2部のコンサートでしょう。これは、大変おいしかったです。短い間に凝縮せねばならなかったからでしょうが、名曲だけをつなぎにつなげて、名場面集をみているかのようでした。こうしてみると、Mateの登場シーンは多かったです。この人は、やっぱり舞台の人なんだな〜と思ったのは、ハンドマイクはあまり得意ではなさそうでした。お芝居もついた本番の大暴れがないと、ちょっと物足りませんね。声は、わたしの好きなあのさらさらパウダーのはりつき系で健在でしたが。嬉しかったのは、生で’愛と死のロンド’のハンガリーバージョンが聴けたこと。これは、ウィーンにはなくて、Mateの声で聴きたいとウィーンで思ったことが思い出されました。願いが叶いました。
今回、またまた願いが叶ったのが、ルーカス君が観れたこと。わたしは、ウィーンくんだりまでいったのに、3回ともセカンドのフリッツだったのです。写真でみるかぎり、ちょっと美少年が成長した感じのこの子をみたかったのですよ〜。初演からの公演写真とか、オランダ版とかハンガリー版の写真をみても、どうも海外のルドルフは容姿を重視してなくて、東宝版の繊細な青年皇太子のイメージじゃないのね〜と思っていたのです。が、このルーカス君、この子は日本人好みの繊細系ルドルフですよ。ルーカスには失礼かもしれないけど、ウィーンの浦井君と呼んであげたい。今は、髪が長すぎるけど、5月に来る頃には、ちゃんと短くして、軍服着て出てきてくれるんでしょうね。う〜ん、大阪も行きたくなってきました。’闇が広がる’は、じ〜とたって暗い目で歌っているので、ウィーン版みたいにトートにがくがく揺らされて歌ってほしいわと思ったら、後半、腕をひっぱりあう振りがはいり嬉しかったです。最後の最後の日本語は、ちょっとわたし的にはやめてほしかったです。サービスなんだろうけど、あんまり意味わからずに歌っているような印象受けました。これより、彼の歌でよかったのは、’僕がママの鏡だったら’でした。この歌が、こんなにいいと思ったのははじめてです。初期の浦井君のような甘えっこルドルフでもなく、最近の浦井君のような国を憂う大人の皇太子でもなく、人間として青年の憂いがあり、なんだかツボでした。
ルーカスもマテもよかったですけど、わたしは、何よりマヤさん、感動しました。エリザベートの長いかつらをつけてないと、短くて
くらい茶色の髪でゲルマン系の女性らしく男性っぽい感じの方です。エリザベートの衣装をつけた肖像画そのものの美しい皇后様とは違います。でも、歌うと女王の輝きなのです。こんな、ちゃっちいオーケストラに喧騒の歌舞伎町の劇場にいて、マヤさん、なんてあなたは気高い方なのでしょう。ミニコンサート並みのスケールなのに、あのウィーンの劇場とかわりなく、振りもそのままにエリザベートをここ東京でみせてくださいました。特に’私が踊る時’と最後のエンディングの歌。ちゃんと、トートにくちづけして、腕の中で倒れて、マテに抱かれて終わっていくのです。ここまでしていただけるなんて。もっと、もっとマヤさんの歌が聞きたかったです。精神病院の歌も、コルプ島の歌も。そのシーンは好きじゃなかったけど、今となっては、歌は聞きたいです。残念だったのは、’夜のボート’。宝塚OGとのデュエットはいけません。こんなことなら、石川禅さんにお願いしたかったです。’嵐も怖くない’のルーカス君とのデュエットはおもしろかったけど、ちょっと不釣合い。これは、エリザベートが16歳か15歳で、若き日のフランツヨーセフとお見合いして結ばれる一番幸せなときのデュエットなので、その息子のルドルフ役が若い日の父を演じるのはリーゾナブルなんですけど、いかんせんマヤさんとルーカスでは貫禄が違いすぎます。恋人同士というより、やっぱり親子デュエットでした。
これは、本当、5月のコンサートバージョンが楽しみ。できれば大阪のミュージカルバージョンだってみたいです。この3人の歌声がまた聞きたいです。って、明日も行くのでした。最初から2日分のチケットとっていたから。リピート割引があるって知らなかったわ。ま、いいや。あしたも楽しみ、楽しみ。
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