2006年9月2日 ソワレ
ピカデリー劇場(ロンドン)
Sky ; Adam Cooper, Sarah ; Kelly Price
Nathan ; Patrick Swayze, Adelaide ; Claire Sweeney
今回は、出張なのですけど、こんな近くにきて、アダムの舞台を見ないで素通りするなんてありえません。と、いうわけで、出張前のトランジットの合間をふる活用して’Guys and Dolls' 観てきましたよ!(会社の人、このブログみてないよね)What's on Stageのめちゃくちゃコミッションの高いチケットを予約しただけあって、最前列ど真ん中、1回こっきりの勝負満喫して参りました。
8月の終わりにパトリックスエイジが参加してから、すっかり会場が彼へのお祝いムードと聞いていましたが、まさにそのとおり。ネイサンが出てくると、ピューピュー口笛がなるほど。そんなにありがたいのか、ハリウッドスターは。まあ、正直、わたしも興味本位程度には、関心ありました。出発前に’ダーティダンシング’を見たりして。それで、ですね〜、ありていにいうと、パトリックスエイジ、ただのおじさんじゃありませんか。これは、好みとかそういうことをぬきにしても、魅力うすきネイサンでした。前のニールモリッシーでしたっけ?彼は、わりかし背が高くて、スタイルはアダムにも劣らぬ感じのスマートさだったのです。ダンスは、下手だったけど、いい味だしてたんですよ。アデレードとの結婚に踏み切れない男のずるさとか、でも別れられない未練のかわいさとか、クラップゲームに賭ける情熱とか、TVの俳優さんらしく、器用に役作りできていたと思いました。が、パトリックスエイジのネイサンは、な〜んかうすいのですよ。ハリウッドスターなのに、存在感があんまりないのです。実際、群舞にまじるとど
こにいるかわかんなくなります。せっかくパトリックスエイジのダーティーダンシングなみのダンスをみようと思っていたけど、地下でのダンス、あれ、今日ネイサンいないのかしらと思ったら、終わったらいるじゃあないですか。見逃してしまいました。演技も、細かくは工夫していますけど、ネイサンの人としての魅力が感じられず、パトリックスエイジがロンドンまできて演じたかったものは何?と疑問をなげかけたくなりました。それをロンドンの人々、どうしてそんなに優しい目でみていられるのかしら?
パトリックスエイジと共にキャストチェンジしたアデレードも前回の方とずいぶんイメージかわりました。前の方は、かわいさを前面にだして、鼻声でネイサンに甘えて、ネイサンもアデレードがかわいくてしかたないという感じでした。今回の方、迫力の姉さんという感じです。クラブの看板女優の貫禄があります。劇中のショーも前の方とは違ったお色気をだしています。ただ、このアデレードなら、お母さんにうその手紙を書いたり、いつまでもネイサンを待っていたりしないで自分で踏み出してしまいそうな力をもっているように思えました。演じる人がかわるとこうも役のイメージがかわってしまうのねという典型的なパターンでした。これは、好みの問題で、どっちがよいというのはなかなかいえませんが、わたしは、前の方のほうが好きでした。
今回、Nicely nicely Johnsonがセカンドの方?でした。キャストチェンジかな?体型は、おなじようなおデブの人ですが、今回の方のほうが若いです。前の人は、さすがの芸達者な舞台の人でしたので、こういう脇をしかっり仕切る人がかわるとどうなるのだろうと思いましたが、それなりにこなしていたと思います。特に最後の教会で、夢の話を歌うところは、見事にもりあげていました。今回は、Bigジュリーはファーストの方にもどっており、うれしかったです。やはり、この方の独特の体型とダンスがあってこそのBigジュリーです。
そして、そして、アダムですね。もう、最前列、ど真ん中で、4ヶ月ぶりにいきなりあんな美しい人をみたら、人間正気ではいられません。すっかりウエストエンドの人になってしまったせいか、最初のうち、彼がダンサーであることを忘れて舞台に見入っていました。こういう近くでみると、お洋服のこまかいところがみえるのですけど、あの白いスーツも、黒いスーツも無地ではないのです。うす〜くストライプになっていました。きずかなかったわ。褐色の金髪が、心なしか明るくなったみたいにみえて、横顔がまあ〜というくらい素敵なのです。ハバナでの踊りのシーンになって、そうだわ、アダムはダンサーなのよとここで本来の姿を思い出します。う〜ん、こんな近くで踊られたら、もうほかの人の踊りなんて視界にははいりません。そして、ニューヨークに戻ってからのI've never been in love before’。歌い方を変えたのでしょうか?出だしが、とても甘くやさしく、アダムの歌で、心ときめいたのは、これが本当に本当にはじめてです。アダムの歌で心ときめく日がくるなんて。サラといっしょにSkyに恋してしまいそうでしたよ。歌のレベルという面では、まだまだわたし的には課題多しと思いますが、技量でなく、心に届くというのはミュージカルスターにとっては、必須の条件だと思うのです。ダンサーのアダムが好きだと思っていたけど、ついにアダムはミュージカルスターになってしまったようですよ。1幕で、こうして早くも腰砕けにされて迎えた2幕。2幕は、なんたってここだけ切り取ってGALAの演目に加えてほしいと思うくらいかっこいい’Luck, be a Lady tonight'があります。このシーンが近づいてくるとどきどきするのです。ごっつい群舞を楽しみながらも、もう心ここにあらず状態。あの鋭く刺すような瞳を客席に向けてダイスをふる姿。群舞を従えて、踊る一瞬。わたしは、この時のために、今日ここに来たのだわと実感し、それが無駄でなかったことを証明してくれる瞬間。う〜ん、幸せです。人生いろいろあるけど、幸せなことって絶対あるんだわと信じられる一瞬でした。
こうして、至福の時はすぎ、今は出張の目的地にはいりました。あしたから、お仕事です。しっかり仕事して、またアダムに会いにこれますように。
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