2008年1月6日
東京文化会館(東京)
ベル:佐久間奈緒 野獣:イアンマッケイ ベルの父:デヴィッドモース
ベルの姉:ヴィクトリアマール シルヴィアヒメネス
ワイルドガール:アンブラヴァッロ カラス:山本康介
2008年の幕開けは、英国バーミンガムの’美女と野獣’です。これは、ねらってましたエコノミー券。時にはよいのですが、本日は2列目でしたので大変観づらい場所でした。まあ、上演時間も短いし、お値段と内容を考えるとお得な公演であったと思います。
ビントレーは、クラシカジャパンで、ペンギンズカフェとか、ギャラントリーズをみたことあります。それほど、興味はなかったのですけど、昨年10月のロンドンでの’エドワードII世’のレビューをみて、やっぱり観とこうと思ったのでした。個人的には、’エドワードII世’を持ってきてほしかったのですが。
本日は、エリシャウィリスの怪我のため、ベルは佐久間奈緒さんでした。これは、わたしにはうれしいキャストチェンジ。佐久間奈緒さんは、’エドワードII世’でテューズリーと踊った人でしたので、見てみたかったのです。海外のバレエダンサーにまじって日本人ダンサーが踊ると、どうしても華やかさに欠けることが多々ありますが、佐久間さんは大変可憐でよかったと思います。5階からですので、細かい顔のパーツまではわかりませんが、ダンス全体はしなやかで軽やかで、野獣が恋する若い娘の感じがよく出ていたと思います。
野獣のイアンマッケイは、いかにも惜しいです。こちらも5階からでは、顔の詳細はわかりませんが、顔が小さく体型的には美しいダンサーでした。最初に王子の姿で赤と黒の衣装で動きまわっているときから、よいわと思っていたら、あっという間に野獣に変えられてしまいます。なんと、ここから、かなり最後まで、この恵まれた体型を被り物で覆って踊るのです。ビントレーは、ペンギンズカフェといい、被り物が好きなのでしょうか。この被り物が、身体全体を着ぐるみみたいなので覆っているため、スマートな手も足も腰まわりも、熊みたいです。まあ、それだけに、野獣がベルに求愛する場面は哀れが漂い、元の姿を知るものとしては、切ない気持ちがひしひしと感じられるわけですが。最後に魔法がとけて、王子にもどる場面は、もう汗だくで、パンツも短めで、足はバレエシューズさえなく素足でした。
全体的に、バレエらしいダンスは少ないです。昨年秋から、クラシック続いたので、かなり物足りない感じがしました。特に、最後のベルと王子のパドドゥは、美しいけれど、なんか物足りないわと思っていたら、王子が素足なので、大技できないからなのねと気づきました。二幕最初の野獣たちの舞踏会は、華やかでした。この舞台は、美術がよいのです。セットも衣装も、来日公演らしく豪華でした。ただ、英国ロイヤルと並ぶ、イギリスのバレエ団がきたというのに、このダンスの少なさは惜しいなと思います。おもしろいことはおもしろいのですけど、マシューボーンのところのダンス公演みたいなノリなのです。ビントレーという現代的な振り付け家が芸術監督を務めるバレエ団ということで、このような演目を選らんだのでしょうが、来日公演がいっぱいで、いろんなものを見るチャンスの多い日本人の観客には、もっとあくが強い作品でもよかったのではないかなと思います。まあ、しつこいですけど、’エドワードII世’が観たかったです。
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