2006年4月18日 マチネ
日生劇場(東京)
ジャンバルジャン:今井清隆 ジャベール:鈴木綜馬
フォンティーヌ:シルビアグラブ
マリウス:泉見洋平 コゼット:河野由佳 アンジョルラス:坂元健児
ティナルディエ夫妻:駒田一 瀬戸内美八 エポニーヌ:坂本真綾
本日は、嬉しい嬉しい平日、有休マチネです。みんなが会社行っているときに、レミゼ観れるなんて、な〜んて幸せ。明るいうちに走らずに日生劇場にはいれるなんて、神様ありがとう。
今日は、余裕で15分前には会場にいましたので、キャスト表チェックしたし、プログラムも買ったし。アンサンブルの方が若返ったというのは、単なる気のせいだったらしく、ほとんどは去年の方々と同じでした。本日のコンブフェール、工場長は小鈴まさ記さんですね。この人は、スケベな工場長にはみえず、根はまじめな働き人という感じ。昨年、アンジョルラスやっていただけあって、工場労働者、学生の中ではルックスよいほうです。まあ、アンジョルラスはやめてね。前回の若いコンブフェールは、角川さんという人だったらしいとあとで知りました。今日は、5列目だったので、舞台の人々の顔がくっきりみえました。’ベストミュージカル2’でどこまでも澄んだ歌声をきかせてくれた阿部よしつぐ君もはじめて、この人だとわかりました。この子もなかなかあかぬけたルックスなので、そのうちプレインシパルでお目にかかることもあるかもね。
なんだか、日本のレミゼに慣れてきたというか、受け入れられるようになったのか、今まですごい気になって許せなかったことがあんまり気にならなくなりました。そのせいか、本日のレミゼは大変満足でした。要所要所で、気持ちよく涙を流せ、ああ、やっぱり来てよかったわと思える舞台であったのでした。
このメンバーでレミゼ観るなら、絶対はずせないわと思っていた今井さんのバルジャン。さすがの歌唱力は健在です。けど、なんか傾向変えたのかな?今井さんのバルジャンは慈悲にあふれた優しいバルジャンという印象なんですけど、今回は、強いバルジャンというイメージでした。温かいバルジャンという面では、今回は石井さんの方が心にしみました。これは、ジャベールを演じる人によってかわるのかもしれません。とはいえども、彼に接する人すべてにむける人としてのまなざしと、その陰に罪人として逃げ延びようとしている暗さを併せ持つ深さが出ており、やっぱり次回も見るなら、今井さんははずせないわと再認識したのでした。
今回初のシルビアグラブのフォンティーヌ、思っていたより全然よかったです。わたしは、儚いフォンティーヌより、強いフォンティーヌの方が好きなのですけど、この方は、ジョアンナアンプリさんに負けない強さを持つフォンティーヌでした。ただ、ちょっと落ち着きすぎていて、若くて愚かなところを感じさせないので、工場長と寝ていたり、娼婦に落ちたりするような人には見えないんですね。すごくよいフォンティーヌとは思えないけど、歌がしっかりしているし、自分のフォンティーヌを持っている感じがしてよいなと思います。この人、エリザベートとかやるとよいかもね。あと、’ジキルとハイド’でルーシーやって、マルシアにエマの役やってほしい。そしたら、日本の’ジキルとハイド’もグレードアップすると思うのです。
ジャベールは、またまたフランツ陛下なのでした。これは、そうはいえども、なかなか慣れることはできませんが、彼自身がちょっと進化していて、ジャベールの泥臭さが出てきたようです。本日は、ガブロッシュに正体を見破られて縄をかけられたところで、自慢げに歌って挑発してくるガブロッシュを一瞬鋭い目でにらみつけるのですけど、ガブロッシュの子役の子が素でひるんでるようにみえました。フランツ陛下は、演技はよいのだけど、歌がね〜、くせがありすぎるのが難なんですね。支障なければ、今年かぎりにして、来年からは避けて通ろうと思います。
今回、ほ〜んと慣れてきたと思ったのはアンジョルラス。何度みても、アンジョルラスには美しさを求めてしまっていましたが、今日にかぎっては、だんだんこれが日本のレミゼなのよね〜とそれほど気にもならなくなりました。それもこれも、坂元健児君の歌声でしょう。力強くて、うまいです、この人は。マイクなしでもいけるんじゃなかろうかと思える声量です。姿形にカリスマ性はありませんが、声だけはリーダーシップ充満しています。前回の東山君の指導力のない歌声を聴いたせいか、本日は、びんびん響きました。誰か、すてきな人の容姿と挿げ替えたいです。声だけなら、ず〜とアンジョルラスやっても許そうと思えたのでした。
先週より、マリウス&エポニーヌもよろしかったと思います。真綾ちゃん、声に元気がもどってきて、はつらつとしたエポニーヌでした。この子のエポニーヌは、素直にマリウスが大好きなんです。なのに、全然マリウスって奴は気づかないんです。と、観ている側をこういう気持ちにさせるエポニーヌにはなかなかお目にかかれません。今後も楽しみです。泉見君は、この前は濃すぎてどうだかねと思ったけど、今日は気になりませんでした。前の方でみると顔がはっきりみえるので、そのかわいさにちょっとごまかされちゃうのかもしれません。ちょっと気になるのは、下水道で歩くのはやめてね。一応、お墓に立ってるわけですから。(英語の歌詞、日本語では死にかけてる、、ですね)もっと、だらんとバルジャンにぶらさがってほしいと常々思うのでした。今日、気づいたのですけど、バルジャンって、一瞬マリウスをおんぶしているところもあるのです。日本は、お姫様だっこはないみたいです。
忘れてはなりません。ティナルディエ夫人、瀬戸内さん。個人的には、森くみさんより好きです。ティナルディエ夫人のセリフって、なんだかわざとらしく聞こえることが多く、ちょっと不自然かなと森くみさんの時は思っていたのですけど、今日はそのような違和感はなし。あと、司教様の館の妹役は、やっぱり質素な暮らしはあのくらいの体型でないと説得力ありませんしね。今回は出演してない峰さおりさんもよかったし、宝塚の方はなにげにティナルディエ夫人が光ります。そうだ、大須賀司教様、この方の’あなたの魂、わたしが買〜った’は、それまでそうでもなくても、うってきちゃうんです。涙ぼろっときて、ジャンバルジャンの気持ちと同化する瞬間です。
今期は、本日がマイラストレミゼです。名残おしいです。一ヶ月しかないし、もうすぐパリオペだし、来月はロンドンだし、しょうがないといえばしょうがないんですけど。来年もあるといいな。今回はロンドンでレミゼみる時間ないんですけど、6月以降にキャストチェンジしたら、またなんとか観る機会を持ちたいなと思ったりしています。何度見ても、見ても、大好きな作品です。
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