2006年3月19日 ソワレ
ゆうぽうと(東京)
ジキル&ハイド:チョスンウ エマ:イ ヘギョン ルーシー : イ ヨンミ
(キャスト表にこの3人しかないので、あとの人は、さっぱりわかりません)
年末に鹿賀さんの’ジキル、、’観たとき、韓国版行こうかな〜、得チケでたらねと思っているうちに、アンニュアルミーティングのスケジュールと重なったりして、チケットをとりそこねていました。そうこうしているうちに、ブロードウエイ版のビデオみたら、やっぱり行きたいと思いだして、急遽、ヤフオクでおとしました。迷ったけど、いってよかったです。よいですよ、韓流ミュージカル。
わたしは、西洋系の面食いなので、韓流にはご縁がありません。ただ、ブームになる前にビデオでみた’8月のクリスマス’は好きだったし、まだ冬ソナが放映される前にMXテレビでみた’オータムインマイハート’には、ちょっとはまりました。韓国の仕事をしてたころ、エージェントの人がくれたJo SunmoのCDもよかったです。ビジュアル系は別として、あの甘ったるい濃い情熱は案外好きなのかもしれません。
’ジキルとハイド’は、なんといっても音楽がよいのです。これが、またなんだかハングルに合うんだか、あわせているんだか、オリジナルをそこなうことなく韓流テイストに仕上げているのです。このミュージカルの音楽のことを知らない人が聞いたら、これは韓国のオリジナルの歌だと思ってしまうだろうと思うくらい。これは、残念ですけど、日本語版よりはるか上をいっているように思えます。
韓国版は、一部をのぞいて、基本的にブロードウエイ版を忠実に再現しているようです。日本版は、こまごま変更加えています。わたしとしては、それもあって韓国版が見たかったのです。ただ、時間にすると短いんだけど、けっこう重要なところに韓国流の変更がはいっておりびっくりします。ヘンリー(ジキル)が自身が被験者になろうと決心するところとか、ルーシーを殺したあととか。被験者になろうとするところにルーシーの影響がないのです。また、ルーシーを殺したあと、ハイドはヘンリーに戻って去っていくのです。なかなか大胆でしょう。
さて、俳優さんたちです。チョスンウって、わたしは映画とかでも全然知らない人なんですけど、けっこう人気の人で、この人目当ての人もいるらしい。若いですよ。25歳ですって。おお、浦井君がこの役を来年できるかな〜と思うと無理無理。チョ君は、りっぱでしたよ。若いヘンリーです。ブロードウエイ版のハッセルホフさんも鹿賀さんと同じくらいの年齢でした。でも、このチョ君とハッセルホフさんに共通することがあるのです。それは、何だか愛おしいヘンリーというところ。あまりにまじめでひたむきで、思わず抱きしめたくなって守ってあげたくなるような弱さのある人なのです。韓国版もブロードウエイ版も、ヘンリーのこういうところが魅力なんです。日本版、よかったんだけど、めちゃめちゃ心に響くというほどでなかったのは、あまりに鹿賀さんが大人でおちついたヘンリーだったからというのが原因ではないかと今日気づきました。それに比べ、日本ではエマを異常に子供の女優が演じるので、ヘンリーがエマに甘えられないからかもしれません。エマとヘンリーの愛は、この物語のもうひとつ大事なところなのに。ちょっと、話がずれましたけど、チョ君、よかったです。歌もうまいけど、うますぎず、誠実な心やさしきヘンリージキルがよかったです。ハイドはちょっと迫力不足なのは、鹿賀さんの印象があったからでしょうか。カーテンコールの時、ヘンリーの束ねた髪をバラっとほどいて、投げキスしてかえっていくのです。まあ、日本の俳優さんはこんなこと、恥ずかしくてしないと思いますよ。でも、なかなか憎いじゃありませんか。
エマ役の人、う〜ん、エマはこうあってほしいというブロードウエイの方に負けないうまさでした。このくらいの年齢で、今、日本にはこれだけ歌える人はいないのでしょうかね。ちょっともともとの顔が悲しい顔なので、ヘンリーを信じて彼の苦悩をみつめる姿がこたえるのです。最後に、ヘンリーが死んでしまう前にエマだけが、彼の魂を救うかのように最後まで愛を信じる姿に泣けちゃいましたよ。
ルーシーは、日本にはマルシアがいますからね、なかなか厳しい勝負ですが、この方もよかったですよ。ブロードウエイ版のちょっとおちゃめなルーシーと日本の儚いルーシの中間という感じ。日本では、とにかくルーシーだけが存在感をはなっているので、エマとのかけあいの歌などは全然見せ場になってないけど、こちらは迫力です。二人の立場の違う女性が同じ男性をそれぞれ愛して、切なくて夜空に向かってそのやりきれなさを歌い上げるところ、あ〜、こんなところもあったのだわと中味の濃さを実感するのでした。
脇役の皆さん、アンサンブルの方もかなりレベルは高いと思いました。韓国の人って、なんだか熱いでしょ。その熱さをためらうことなく舞台にぶつけてくる力強さ、小手先じゃなく体当たりしてくるみたいな情熱、ミュージカルにはあっているんでしょうね。ブロードウエイ版や日本版にない稲妻の演出など、大変よかったです。
実は、今Amazonから、ブロードウエイ版のCD待ち状態なんですけど、待ちきれず今日、この韓流ジキル&ハイドのCD買ってきちゃいました。チョ君とダブルキャストの人、ビジュアルはどうでもよいけど、素敵な声です。ラウルやってた人なんですって。これ、チョ君とこの韓国ラウルと両方はいっており、これはこれでなかなかおいしい一枚でした。
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