Review
レビューというよりも、観劇ノートのように感じたままをそのまま綴っています。


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 [63]   クレイジーフォーユー
3月12日 マチネ
四季劇場(秋)(東京)
ボビー:荒川努 ポリー:樋口麻美 ベラザングラー:栗原英雄
アイリーン:八重沢真美 エベレット:喜納兼徳 ランク:牧野公昭
テス:有永美奈子 ボビーの母:木村不時子
 
わたしは、最近気づきました。わたしは、ミュージカルが好きだけど、わたしの好きなのは、ポップオペラ系、歌中心のミュージカルなのです。それも、どっちかというと、悲しい系。と、いうわけで、アメリカンコメディーっていうのは、どんなものだろう。考えてみると、’雨に唄えば’も話は苦手だたしね。
 
と、いう心配の中で幕を開けたわけですが、これがどうして、なかなか面白かったのです。お話は、まあ、例によって、ご都合主義で単純なラブストーリーなんですけど、実際、これで3時間近くひっぱるかというくらい内容はないんですけど、このミュージカルの魅力は、ダンス、ダンス、ダンスなのです。
 
劇団四季って、キャスト発表を前もってしないので、誰にあたるかわかりません。でも、あんまり気にならないのは、わたしがあんまり知っているメジャーなスターがいないから。ここの人々は、規格品みたいっていうのが印象だったのですが、これが今回はよい方向に出ていたと思います。歌もダンスも下手な人がいないのです。今回のように、全体をショーとしてみせる場合は、気持ちのよいそろい方だったと思います。物語自身、際立って個性的な人物もいないので、素朴な街の人々が出すぎることなく要所要所できちんとしたパフォーマンスをみせてくれており好感がもてました。
 
どうせ知らないしと思って始まる前にキャスト表チェックしてなかったのです。そしたら、この主人公のボビー役の人、どっかでみたような、聞いたような声。そうだ、もしやと幕間にチェックしたら、やっぱりあの、かつてアイドル歌手だった荒川努じゃありませんか。どんな歌うたってたかも忘れたけど、わたしが小学生の低学年の頃、テレビに出ていたはず。こんなところで、お仕事してたんですね。悪くなかったですよ。って、いうかちょっと感心しちゃいました。年齢は、たぶん40代後半のはず。だけど、このタップと歌。立派でしたよ。お金持ちでお人よしのおめでたいお坊ちゃんのキャラにもはまっていたし。お友達は、もう一人、加藤さんという方のきれのあるダンスのほうがよいといっていましたが、わたしはその人を知らないので比べようはありません。昔のアイドル歌手っていうのは根性あるんですね。こうして、コツコツ(かどうかわかんないけど)芸を磨いて、一線の舞台に立ち続けているんですものね。今日、一番感銘深かったのはこのことかも。
 
どうして、わたしは、このミュージカル好きかなっと思ったかというと、これは、アダムのためにぴったりだからです。ボビーは、ほぼでずっぱりで、ダンスシーン満載なのです。あのタップをポーズをアダムなら、こうだろうと、何度も頭の中で置き換えてしまいました。アダムは、バラード系の歌を歌いあげるといまいちなんですけど、こんな風に楽しく、タップを踏みながら歌うときは、とても自然で乱れないし、彼の明るさがまぶしいのです。アダムが、この路線で生きていくならば、この作品は、避けてとおれないわと実感しました。
 
この作品は、意外にも1990年代の最初にニューヨークでつくられたものだそうです。当時、ロンドンミュージカルに押され続けていたニューヨークに、デッドロックの劇場を再建しようとする人々を描いた物語の心粋がぴったりはまったのだとか。そうですね、こんなふうに、何も考えないで、楽しい、楽しいというショーもたまにはよいかも。できることなら、次は、アダムで。
update:
2006/03/12



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