Review
レビューというよりも、観劇ノートのように感じたままをそのまま綴っています。


| Back | Index | Next |

 [7]   くるみ割り人形 小林紀子バレエ
2007年12月27日
メルパルク(東京)
金平糖の精 :島添亮子 王子:ロバートテューズリー
クララ:中西結季 ドロッセルマイヤー:中尾充宏
 
スタダンのトラウマは、そうやすやすと消えるものではないらしく、本日会場で幕があがるまで、もうどきどき、怖いくらいでした。今日、テューズリーの踊りがみれなかったら、立ち直れないかもしれないと思いましたが、無事幕はあきました。
 
’くるみ割り人形’って、マシューボーンのしか生でしかみたことないし、DVDでもベルリン国立やリヨン国立のちょっと異形のバージョンしかみたことありません。おまけに、DVDだと絶対寝ちゃうし。わたし、ディベルティズマンって苦手なんですよ。くるみなんて、テューズリーでもでなきゃ好んで観にはいかない演目なのです。その上、噂では、年末の小林紀子バレエのくるみは、生徒達の発表会的要素が強いらしい。そうして見渡してみると、まわりは、ママやパパやおじいちゃんおばあちゃん、妹や弟たちという感じ。いつもバレエで見かける人々は皆無でした。唯一、’椿姫’のデマチ以来みかける髪の長いきれいな人がいたくらいでした。
 
まあ、そんなことは覚悟の上ではありましたが、やっぱり今日は物足りなかったです。テューズリーの踊りは、いつもながら、まわりから際立ってエレガントで、線がきれいで、正確で、そこだけ別世界でした。だけど、’椿姫’、’ジゼル’と続いた後なので、踊りが少ない〜という印象がぬぐえません。髪の長い人がいうには、このバージョンは、王子の出番が少ないとのことです。それに、多少ソロははいりますが、パドドゥなどは、ほとんどサポートで、ダイナミックにテューズリーだけが観たいのよ〜というわたしには、欲求不満になりそうでした。まあ、ぜいたくいうときりがありません。こうして、元気に目の前で、彼のバレエが観れることはやっぱり幸せなことです。わたしは、彼の顔でなく、踊る姿が好きなのです。と、人に言い続けていましたが、今日、一幕でくるみ割り人形のマスクをつけて踊る場面で、あ、やっぱり顔も好きだったんだと再認識しました。マスクをとった後にほほえみながら踊る姿は、マスクをつけたときより一際美しかったです。
 
本日の大目的はテューズリーを観るですので、他をどうこういうこともないのですが、この発表会バージョンはやっぱりなんだかなですね。小林紀子バレエの大人の部の人々は、わりと上手だと思うのです。突出してテクニカルに上手い人がいるわけではありませんが、皆さん、あるレベルにはどの箇所もきちんと踊れていると思います。これにまじって、生徒さんたちが、一幕、二幕ともに大量に出演します。まあ、年末ということで、生徒への家族サービスと資金集めが目的で、わたしのような客はおすそ分けにあずかるって感じなんでしょうかね?客層も’まあ、くるみはきれいで楽しかったわ、〜ちゃん、かわいかったわね〜’というノリなのです。みなさん、一幕だか二幕だかに、左から何番目、あ、後ろむいちゃったとお身内探しが忙しいようでした。何故に、こういうプログラムにテューズリーは参加するのでしょう?謎です。同じ小林紀子でも、’ジゼル’と’くるみ’では、舞台から得るものが大きく違うのでした。
 
明日も参りますので、その他の詳細はまた明日。なんだかんだいっても、テューズリーを踊らせてくれてありがとう、小林紀子バレエ。日本で見れるのは幸せ。ちなみ、来月はウィーンで’マノン’、2月3月はローマで’ライモンダ’とのことです。次の日本でのスケジュールは未定だとか。明日はもっと気合いれてみなくちゃ。
 
訂正
2月ライモンダは、わたしの勘違いのようです。ローマのオペラ劇場のスケジュールには3月しかライモンダありませんので。
 
 
 
update:
2008/01/02



| Pour passer le tempsホーム | 観劇記録 | Review | これからの予定 | What? | リンク集 |


メールはこちらまで。