Review
レビューというよりも、観劇ノートのように感じたままをそのまま綴っています。


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 [76]   エリザベート 東京公演(5)
2005年9月5日 マチネ
帝国劇場(東京)
エリザベート:一路真希 トート:山口祐一郎
フランツ:鈴木綜馬 ルドルフ:浦井健治
 
本日は、初めての帝劇平日マチネです。おば様率高いです。帝劇の売店は、ロゴ入りグッズやCD販売も充実ですが、ちょっと不思議なアクセサリーとか、お漬物だとかぬれせんべいだとか、なんで劇場にこんなものがという商品にあふれていたのが、本日の客層みてちょっと納得です。帝劇は、銀座にも近いし、都会の雰囲気味わいながらお芝居もみてという、主婦層のちょっとした社交の場でもあったのですね。こういう人々ともチケット争奪戦を戦わねばならないのですから、エリザベートは奥が深いです。
 
今日のトートは、山口さんで、フランツが鈴木綜馬さんなので、東宝版の正当派エリザベートを観たような気分でした。山口さんは、’レミゼ’と’モーツァルト’でも見ましたが、トートが一番よいみたい。山口さんのトートは、踊らない、演技しない、歌うだけなんですけど、それでいいんですと思えるからいいんです。ビジュアルがいいとか、これぞトートだからという理由ではありません。ウィーン版のトートそのものがとても魅力的なキャラクターというのとは違いますが、東宝版のトートはこれだよねというのが山口さんなのです。なんといっても歌うまいしね。トートは死神ですから、感情あらわす必要ないし。ウィーンのロッカーみたいなトートとはさっぱりイメージ違いますが、日本語の歌詞のかたさには、とてもあっていると思います。内野さんは、まだウィーン版のトートのロッカーをひきづっていて成功してないなと思うのですが、山口さんは独自の世界があるようです。これは、これでよしとしましょう。だめな人にはだめでしょうけどね。東宝版なら、わたしは山口さんの方がよいです。浦井君との’闇が広がる’のデュエットが力強いのがなんといっても好きですしね。
 
前回の石川禅さんのフランツがあまりによかったので、鈴木綜馬さんはもういいやと思っていたのですよ。が、この人は、何やかやいってもフランツヨーゼフです。ジャベールやったときもフランツだなと思いました。もう、フランツそのものがしみついているのですね。素直にこの人はフランツにみえます。禅さんのように心ゆさぶられる歌ではないけど、皇帝として生まれ強い母に育てられ、国のため仕事に励みつつも、家庭生活はうまくいかない孤独な皇帝の哀れがよくでているのです。もうけちのつけようがありません。禅さんみたいに、あ、次の歌が楽しみというわくわく感はありませんが、安心してみていられる安定感があります。禅さんだけがシングルキャストにならないかなと思いましたが、道は険しいです。
 
本日の浦井君も前回同様、おちつきがあり大変よかったです。今日、プログラムを買ったら、エリザベートの思い出というところに、昨年の大楽の前に内野さんから’明日は、もっと大人のルドルフをみせてくれ’といわれて大ショックをうけたと書いてありました。そうか、それで今年のルドルフはあんなに大人になっていたんですね。浦井君のルドルフの魅力は高貴ないでたちの中にただよう儚さともろさ
です。だけど、それを前面におしだしてはいけなかったんですね。もっと経験つんで大人になって、傷つきやすいだけでない、国家の滅亡という一大事を憂う青年皇太子の苦悩にたどりついてほしいと思います。本日のトートの死のキスは、わりと短くて、自然でした。内野さんが長すぎたんですね。よかった、よかった。(って、何が?)
 
実は、チケットの関係上、明日もこのメンバーで見るのでした。ちょっと、飽きてきました。ウィーン版みたいな〜と思いながらみたりしました。エリザベートは、好きなミュージカルですけど、ものすごく好きというわけではないみたい。今度は、浦井君ルドルフといえども1回だけにしよう。
(と、いいつつ、おとといヤフオクで禅さん&パクのB席おとしてしまい、追加してしまったわたしって。。。。。)
update:
2005/09/05



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