Review
レビューというよりも、観劇ノートのように感じたままをそのまま綴っています。


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 [94]   シンデレラストーリー 
2005年5月21日 ソワレ
ルテアトル銀座(銀座)
シンデレラ:大塚ちひろ チャールズ王子:浦井健治
ベラドンナ(継母):池田成志 宮廷大臣ピエール:橋本さとし
姉オードリー:宮地雅子 姉ジェシカ:森若香織
王様:尾藤イサオ 王妃:高嶺ふぶき 魔法使い:デーモン小暮
 
浦井君が出るからには、まあ一度は観なくちゃいけないでしょうくらいの軽〜い気持ちでチケット買っていましたが、いやあ、楽しませてもらいました。面白かったです。ミュージカル初心者のわたしとしては、国際的な大作物ばかりみており、日本のこのくらいに規模の劇場はストレートプレーしか見たことなかったので、こんなにエンターテイメントなものがみれるとは期待していなかったのです。ルテアトル銀座は、シアターコクーンと同じくらい800弱の座席数で、段差がありとても観やすい劇場でした。
 
何がよかったといっても、浦井君の王子姿を堪能できたことです。9月にルドルフ皇太子で再会する前に、こんな浦井君を観れるなんて、臨時ボーナス出たときの嬉しさです。王子姿で立たせたら、日本で右にでるものはいないと断言できます。今回は、ルドルフのさらっさらの茶髪でなく、R&Jの高校生の黒髪短髪でもなく、少し茶色かかったはじめてのくるっくる王子様ヘアーでした。王子様は、いつもブーツはいており、軍服みたいな王子様ジャケットのしたは、黒とか白のスタンドカラーのシャツです。王子様の正装時は、青いマントもつけます。どの王子様姿もいちいちサマになっており、まるでわたしのためにこういう格好してくれたのかしらと思うくらいツボをついてきます。おまけに最初の歌は、浦井君のソロで’本当の愛’という王子が結婚しなければいけない自分の状況に悩む歌でこれがなかなか切なくて、いきなりこれはいけるわとよい予感が走りました。
 
内容はかの有名なシンデレラです。小さい頃、レコードで聞いたのと、ディズニーっぽい絵の絵本が記憶に残っています。子供の頃のシンデレラでは、王子様はあまり登場しませんが、このミュージカルは結婚をいやがる王子様を婚約されられそうな他国のお姫様や家来が客席に降りてきてさがすところからはじまります。王子は、愛をまだ知らないので結婚することに躊躇しています。王と王妃、宮廷大臣に説得されますが納得できません。そこで国中の娘を招いて舞踏会をし、そこでお嫁さんを選ぶかお金のある他国のお姫様を選ぶかの選択をせまられることになります。王は、リーゼントにサングラス、王妃とは政略結婚ながら愛し合っている様子。尾藤イサオと高嶺ふぶきはさすがベテラン、ふたりのデュエットは聞かせてくれます。宮廷大臣ピエールの橋本さとしがいい味だしてます。アナウンスするときは自分専用のスタンドマイクを持ち歩いています。ピエールと王子様が絡むところは、浦井君うつむいて笑いこらえているみたいでした。
 
舞踏会のお知らせがやってくる頃、シンデレラは単身赴任で帰ってきた気弱な父をむかえつつ、継母や姉たちに意地悪されたり家事をおしつけられたりみじめに暮らしています。継母の池田成志もよいです。芸達者な感じ。見た目もちゃんと女性に見えます。このミュージカルの二つの柱は、ピエールの橋本氏とこのベラドンナの池田氏ですね。この業界ではメジャーな方々だそうで、脇役にいても存在感抜群の強いキャラをさらっと演じておりました。
 
舞踏会の招待状をもらうものの、継母に招待状をやぶられ、着ていくお洋服もかつらもないシンデレラは悲しみつつも家事を始めます。それをみていたねずみたちはシンデレラを助けようと話かけますが、人間はねずみ語はわかりません。そりゃそうです。原作ではシンデレラはわかるんですけどね。ねずみたちは、お洋服を用意してあげたいと思いますが、ねずみにお裁縫はできません。そりゃそうです。原作のねずみたちはドレス縫っちゃうんですけどね。ねずみの人たちは、ダンサブルな人々が4人です。ねずみたちは、シンデレラが舞踏会で踊れるようにレッスンしてあげたいと思います。そうだ、家事ばっかりやっているシンデレラがいきなり踊れるわけないですもんね。でもシンデレラはねずみ語はわからないし、家事に追われそんな暇もありません。ファンタジーながら、う〜ん、説得力あります。
 
そこへ、魔法使いが現れます。魔法使いは、お父さん役と、お城のねずみもかねているデーモン小暮です。デーモン小暮は、歌うまいです。メークとって、他のミュージカルもでてほしいと思うくらい。魔法使いはシンデレラが舞踏会にいけるようにドレスとかつらを用意してくれて、ねずみたちを御者と馬に、かぼちゃを馬車にかえてくれます。でも12時に魔法がきれるからといいます。なんで、ずーとそのままにしてくれないの?そうですね、確かに。魔法使いは昔おきてを破って、人間の女性に恋をしたために魔王様に魔法が一日しか続かないようにされてしまっていたのです。さあ、でかけようと思ったけど、シンデレラは踊れません。また、魔法をかけてとねずみたちは頼みますが、この魔法使いは限界があり、それ以上は何もできないので、踊りが上手になるガラスの靴をレンタルしてくれます。なるほどね、だから魔法がとけてもガラスの靴は消えなかったのですね〜。シンデレラはかぼちゃの馬車に乗ってお城へ向かいます。ここで一幕終わります。レビュー長くなってますね、ええ、だって、これ一幕が80分くらいありました。
 
2幕は、それはそれは嬉しいくらい浦井君の王子様登場してくれます。舞踏会がはじまりますが、王子は心ときめく人に出会えません。そこへシンデレラがやってきて、恋に落ちるのは、なんだか安易ですね。二人はダンスを始めます。結構、みなさん踊ります。浦井君のダンスは、あいかわらずでした。彼は体型にめぐまれているもののダンスの基礎がいまいちなので、ちょっと荒っぽいのですね。誰か鍛えなおしてやってください。ダンスをやめて、みんなでかくれんぼをするというのを口実に王子はシンデレラを庭へ誘いだします。このとき、シンデレラの手をひいて、王子様は客席横の通路を走っていくのです。ラッキー、今日は通路側2席とっていたのです。浦井君の汗がわたしたちの席の一歩手前で飛び散っていたのがみえました。継母や姉に邪魔されつつ、ふたりは親密になっていきますが、12時がやってきます。魔法が切れる前に立ち去らねばならないシンデレラは靴を片方脱げたまま立ち去ります。王子様追います。衛兵に命じて追わせます。衛兵たちが御用ちょうちん持っておっていくのがなかなかよかったです。
 
王子様は、シンデレラを忘れられず、ピエールに命じてガラスの靴の持ち主をさがさせます。ピエールはガラスの靴をもってまた国中をまわります。シンデレラのところにもやってきますが、継母に閉じ込められて地下室からでてこれません。姉たちはふたりとも、ガラスの靴を真っ当にはけません。そこへ魔法使いがシンデレラに変装して助け出してくれます。ガラスの靴がぴったりあったシンデレラはお城へ。通常ここでハッピーエンドじゃありませんでしたっけ?
 
シンデレラの家柄が貴族でないということで、王も王妃もピエールもシンデレラを旅立たせようとします。泣く泣く旅立とうとするシンデレラをとめようとお城のねずみは王子の洋服をくわえてきて王子をシンデレラのところへ連れてきます。そして、家柄の違いで結婚を反対されている事実を知ります。そこへ魔法使いが現れて、シンデレラが貴族の出であると告げます。さっきまで反対していた王たちは急に賛成しますが、本当のことは違うとシンデレラは身をひく決心をします。王子も王位をすててシンデレラと共に旅立つ決心をし、ついに両親もおれて、結婚式へとつづきます。
 
パンフレットを買うとルミカという、ぽきっと折って蛍光色に光るペンライトみたいなものがついてきます。結婚式の場面で、客先からこれをふるのです。会場に七色のルミカが輝いて美しかったです。結構、みんなパンフ買っているのですね。参加できるのは楽しいものです。パンフかってよかった。
 
このミュージカルは音楽もよかったです。役者さんたちもしっかりしているし、なんたって浦井君かわいかったし、大変よい観劇でした。単発物としては、わたしの中ではヒットですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
update:
2005/06/02



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