Review
レビューというよりも、観劇ノートのように感じたままをそのまま綴っています。


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 [99]   レミゼラブル (3)
4月16日 ソワレ
帝国劇場(東京)
ジャンバルジャン:別所哲也 ジャベール:鈴木綜馬 フォンティーヌ:マルシア
マリウス:泉見洋平 コゼット:剣持たまき アンジョルラス:坂元健児
ティナルディエ夫妻:佐藤正宏 森公美子 エポニーヌ:坂本真綾
 
フランス語の先生に、また行くの?といわれて、そういえば、東宝版レミゼももう3回目。だって、バルジャン4人にジャベール3人フォンティーヌ3人マリウス3人アンジョルラス4人コゼット3人エポニーヌ4人もいるんですもん。まあ、全員はみれませんが、本日は3人目のバルジャン&ジャベールです。
 
鈴木綜馬さんは、関東でのレミコンには登場してないので、わたしとしてはレミゼでは初です。なんか妙に期待してたりしたけど、ふたをあけてみるとこの人、癖がありますね〜。鈴木綜馬さんといえば、フランツヨーゼフ。あたり役ですね。ジャベールやってもフランツヨーゼフでした。歌い方、特に音の伸ばし方とつなぎ方がフランツなんですね〜。皇帝って、上からものをいうじゃないですか。ジャベールが警官として高飛車に出るところが、職務上というより、生まれながらに人の上にたってきた人の言い方なんです。とっても、監獄で生まれた人にはみえませんでした。今さんや岡さんのスマート系ジャベールに比べると背がちっちゃいしスタイルはいまいちなんですが、お役人の現実っていうのはこんなもんでしょう。最後の’自殺’のところが、どうもわたしには、エリザベートの’悪夢’の場面でうろたえるフランツに重なってしょうがなかったです。このジャベールも笑いました。が、この笑い声すら、皇帝がむなしく笑う声に聞こえたのでした。
 
別所バルジャンは、レミコンよりミスサイゴンより数段よかったと思います。この人は、やっぱり俳優さんなんですね。細かい演技は一番していると思います。歌自身は、他の3人に比べると聞かせる部分が少ないのですが、ところどころにぐっと心につきささる時があります。それが、通常ツボにはまる’彼を帰して’とかじゃなくて、司教様が救ってくださったあとに歌う’バルジャンの独白’のところなどです。この人は、若い時のバルジャンがよいみたいです。
 
ティナルディエは、わはは本舗の佐藤正宏氏。だめですね。まだ、役を自分のものにできてないというか、歌の内容を理解してないみたい。今日、歌詞をまちがえてました。ティナルディエのような役で、歌詞をまちがえて前後がつながらないと、突然現実にもどされるようで興ざめです。ティナルディエって、むずかしい役なんだなと実感しました。
 
あと、今日初なのは、剣持たまきちゃん。そういえば、前回知念里奈のことは、ちっとも書いてなかったけど、まあ印象うすかったんですね。剣持たまきちゃんのコゼットは、最後の’パパ、生きて生きるの’の場面がかわいくて、涙じわっとにじんでしまいました。コゼットはどうでもいいと思っていたけど、そうでもないようです。
 
日本のレミゼもそろそろなれてきたましたが、小さなことながらちょっとねと思うことが二つ。バルジャンが瀕死のマリウスをかかえて下水道を行くところ。ロンドンでは、お姫様抱っこしたり、肩にかついだり、ひきづったり、けっこうバルジャン肉体労働してます。が、日本のマリウス、意識ないのにちゃんと歩いているのです。もっとぐったりして、バルジャンに担がれてほしいものです。もうひとつは、マリウスの結婚式の場面。アンサンブルの方々は、バリケードでは学生というのはわかっていますが、ダンスが下手なんですよ。ロンドンでは、ちょっと前まで、そまつな学生の姿をしていた人たちが華やかな結婚式の正装でダンスを優雅にしている変わりようにさすがねと思いました。このようなこまかな場面も、もう少しレベルをあげてほしいものです。
 
その他の人々は、前回2回までにすでに観た人々です。坂元氏は、本日は地毛を結わえていましたが、ちっちゃい人がちょっとだけ結わえてもあんまり魅力的ではありまえせん。が、歌はやっぱり、この人はうまいです。リーダーっぽいです。アンジョルラスは容姿も大事だけど、指導力のある歌声っていうのは大事ですからね。泉見洋平君も悪くはないかな。声も嫌いじゃないし、A席からでは顔よくみえないし。ロンドンのゲーリー藤井みたいに力いれすぎてないし。マリウスの場面が楽しみとはいかないまでも、抵抗感や違和感はありません。まあ、マリウスは浦井君登場までこのくらいの人で我慢するしかないでしょう。
 
こまごまいうときりがありません。そうはいえども、レミゼはやっぱり音楽もストーリーもよいので、終わると’Do you hear the people sing?'を口ずさみながら、幸せな気持ちで家路につけるのでした。あと、何回行くでしょう?まあ、常識の範囲は超えないつもりです。
 
 
 
 
update:
2005/04/17



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